伊坂幸太郎『AX』を読みました。
裏では、すご腕殺し屋なのに、表では妻と長男がいる普通のサラリーマンで、しかも異常に妻を恐れる恐妻家という設定です。
おもしろい設定で、しかも独特のユーモアがありますが、切ないお話です。
また、これまでの小説で登場した人物が登場したり、過去の話が出てくるので、ファンにはうれしいプレゼントです。
あらすじ&感想
裏の業界では誰もが一目殺し屋の『兜』、しかし普段の生活では、妻と長男がいる普通のサラリーマン、そして異常に妻に気を使う恐妻家。
普段は文房具メーカーに勤め、裏の仕事は内科診療所に通院するという形を取りながら、そこの院長から依頼を受け裏の仕事をしていた。
殺し屋としての技術は一流でありながら、長男の成長を見ることが嬉しく、仕事を辞めたいという願いを持つ兜は、仕事を辞めたいと医師に伝えるが、医師はなかなか承諾してくれない。
そんな父の気持ちを知らず、家族との日常は淡々と過ぎていくが・・・
感想は、とてもおもしろいですね。
いつもながら、何気ない会話やストーリーが、後半になって意味を持ってくるのも楽しくてしょうがないです。
しかも、普通に読んでいると楽しい話なのに、実はシリアスで切ない話に変わってくるところが素晴らしいと思います。
また、次の新作が待ち遠しい!
自分も『やれることを、やるしかない。それでダメならしょうがない。』の精神で頑張ろうと思いました。