教育熱心な親がよく言いそうなセリフに「良い大学に入れば良い会社に入れる」というものががあります。
それはある意味事実ですが、有名企業に入っても、その会社がブラック企業や残業ばかりで、うつ病になってしまうことが社会問題となり、猛勉強をしてまで良い大学に入るメリットがあるのか?ということが言われるようになりました。
自分の場合は、税理士として開業しているので会社組織ではないけれど、それでも良い中学校や高校そして有名大学にいたらなぁ。と思うことが少しあります。
そこで、一流大学に行くメリットについてを考えてみました。
国家資格に合格するなら学歴は不要
自分の場合は、進路を決める高校の段階で、国家資格を取って自由に働きたいな。という理想がありました。
そのため、大学に関しては入れればどこでもよく、入学してから国家試験をがんばれば問題ない。と思っていました。実際に大学受験はそこそこ程度で、旧帝大や有名私大には当然レベルが足りませんでした。
その後、税理士試験の勉強を始め、会計事務所に就職しましたが、そこでも学歴で得をすることもなければ、不利益を被ることもありませんでした。
一流大学に行っておけばよかったと感じ始めたのは、税理士になって独立開業してからです。
一流の学歴が良い人脈を作る
かつては税理士が独立開業すると、営業のために母校の卒業名簿に片っ端から開業のはがきを送ったそうです。今は個人情報の保護で名簿が手に入らないそうですが。
そこで一流大学の卒業生であれば、いわゆる三流大学よりも、企業の経営者やベンチャー企業の社長が多いため、顧客になる可能性が高くなります。
また、初等科から大学まで続くようなエレベーター式の有名私大だと、青春時代の十数年で友達がたくさんできます。その繋がりは非常に強く、名刺交換会で築いた程度の人脈は足元にもおよびません。
さらに、私立一貫校の学歴を持つ人々は、富裕層が多く教育熱心な家庭が多いため、自然とエリート層の人脈が形成され、その人脈をビジネスに利用すると成功の可能性が高まるのは必然と言えます。
政治家と官僚の人脈は学生時代に作られてる
日本は男女平等で誰でも平等という名目がありますが、その反面、一部の政治家や官僚が強い人脈を作っています。
官僚が天下りする企業は、学生時代の学友が経営者となっている企業だったり、国家戦略特区に設立する学校の理事長が政治家のお友達だったりします。
これらの人脈は、主に学生時代から長年を掛けて築いたもので、エリート層同志の人脈が基盤になっているような気がします。そしてそのエリート層の人脈に入ろうとする官僚は、政治家に忖度します。
ちなみに、自分はこれが一概に悪いことだとは思っていません。なぜなら努力次第では誰でも一流の人脈を築けるからです。
いい人脈を税制で世襲制にしている日本
ただし、問題なのは一流の人脈を、税金を優遇するなどシステム化することで、世襲できることです。
贈与税の特例には、教育資金一括贈与という制度があります。簡単に言うと、一定の教育資金ならば贈与税を免除する制度です。
そのため、富裕層の子供は高額な塾に行き、高い学費の有名私大に入ることが可能になり、そこで富裕層の子供同士の人脈が形成されます。つまり、制度を活用すると一流の人脈を世襲できてしまうのです。
対して貧困層の子供は、塾には行けず、学費の高い一流大学に行ける可能性が低くなることで、エリート層の人脈に入るには相当の努力と才能が必要になります。もちろん努力次第では可能ですが。
まとめ
良い会社に入ること以外の良い大学に入ることのメリットを考えてみました。
結論としては、いい学校に行くことで、一流の人脈をつくることができ、それが社会人になってから利用できることです。特に人脈が活用できる職種(政治家、官僚、経営者)では有効です。
残念ながら、今の日本のシステムは、富裕層に優しい制度だと思っています。
これから起業や独立開業を目指す人は、学歴を軽視せず、一流の大学で一流の人脈を作っておくことが成功への近道かもしれません。