11月終わり頃に経理担当者は年末調整のために、従業員に控除証明書等の資料お願いすると思います。
でも中には従業員から「確定申告するから年末調整しなくて大丈夫です。」と断られる経験もあると思います。
実はこれ間違っていて、年末調整のするしないは、自分で判断して良いものではないのです。
基本的には役員を含めてすべての従業員は、年末調整の対象となります。
そのうち特定の人に限り、年末調整の対象とならない人がいる。ということになっています。
そこで、中小企業の経理担当者のために、年末調整の対象とならない人を解説します。
これは、税務署から年末に送られてくる手引きをまとめたものなので、詳しくは手引きを読んでみてください。
給与の収入金額が2,000万円を超える人
給与の総額が2,000万円を超える人は、年末調整の対象から外れ、自分で確定申告する必要があります。
ですが、2,000万円を超える従業員は、役員や代表取締役など一部に限られるはずです。
そのため、2,000万円の給与収入がない社長や役員は、他の従業員と同じように年末調整の対象となります。
役員クラスの人になると、不動産収入や株式投資など給与以外の収入がある人も多いため、年末調整しても結局確定申告が必要になります。
ですが、2,000万円の超えない人は、原則として年末調整の対象となります。
2ヶ所以上から給与もらい主たる給与の人
2ヶ所以上から給与をもらっている従業員は、その中のどれか一つで年末調整をします。
どの会社で年末調整するかは、扶養親族を記載した扶養控除等申告書を提出した会社になります。
なぜ扶養親族を伝えた会社かと言えば、扶養人数によって給与計算の源泉所得税が変化するからです。
源泉所得税は給与が多いほど高いため、一般的には扶養控除等申告書は給与が多い方の会社に提出しています。
そのため、主たる給与の会社以外では、その従業員は年末調整の対象とならないことがあります。
例えば、他の会社の相談役をしている社長だと、自分の会社では年末調整の対象となりますが、相談役をしている会社では年末調整の対象とならない。というケースが考えられます。
年の途中に退職した人
年の途中で退職した従業員は、控除証明書等をもらう前に辞めていることもあるため、年末調整の対象となりません。
ただし、12月に辞めた人や死亡退職した人など一部年末調整の対象となる人もいるため注意しましょう。
災害被害者、非居住者、日雇労働者
給与をもらっていても被災者や日本に住んでいない従業員、日雇労働者は、情報が足りないこともあり、年末調整の対象から外れます。
多くの企業では該当者は少ないかもしれませんが、従業員で該当しそうな人がいるときは注意が必要です。
詳しくは、手引きを参照してみましょう。
まとめ:ほとんどの従業員は年末調整の対象
年末調整の対象とならない人を解説しました。
これを見ると、自分の意志ではないこと、そして、ほとんどの従業員は年末調整の対象となることが分かってもらえたと思います。
そのため、下記の理由は年末調整の拒否の理由になりません。
・医療費控除を受けるから
・ふるさと納税をしたから
・不動産収入があるから
・配当収入があるから
・株やFXを譲渡したから
・副業しているから
ちなみに、税理士として個人的に思うのは、年末調整してもらったほうが確定申告が楽になるから、やってもらったほうがいいじゃん。ということです。
別に、年末調整しなかったから罰則があるわけではないけれど、自分の手間が一つ減るので、できればやってもらった方が良いのではないでしょうか。