会計ソフトへの入力でよくある質問のひとつに『この支払いの勘定科目は何ですか?』というものがあります。
この質問は、紙の帳簿を使っていても、預金データやクレジット明細からの自動入力を設定していても起きる問題です。
そこで、基本的なことですが、勘定科目を選ぶための3つのステップを紹介します。中小企業の経理担当者や青色の確定申告をする事業主は参考にしてみてください。
ステップ1.『支払先』はどこか
勘定科目を選ぶときは、まずは『支払先』を考えます。支払先によって勘定科目は絞れてくるから当然ですね。ただし、支払先が同じであっても勘定科目が違うこともあるので注意が必要です。しっかりとステップ3まで行くと正確な勘定科目が選べます。
商品の仕入先に支払ったときは『仕入』ですが、本屋さんに支払ったときは『新聞図書費』『消耗品費』『事務用品費』、飲食店に支払ったときは『接待交際費』『福利厚生費』、人に支払ったときは『役員報酬』『給与』『賞与』などある程度の勘定科目が絞れてきます。
ステップ2.『支払内容』は何か
次に『支払内容』を考えます。同じ支払先であっても支払内容が違うと勘定科目が異なることがあるからです。
葬儀場で香典を支払っても、従業員親族の香典なら『福利厚生費』、取引先用の香典なら『接待交際費』と異なります。これは飲食代であっても同じ考え方をします。
また、仕入先や本屋に支払っても、通常であれば『仕入高』や『新聞図書費』となりますが、備品や文房具なら『消耗品費』や『事務用品費』となります。
ステップ2までいくと、勘定科目がほぼ決まるはずです。仕訳の最後の摘要欄には『支払先と支払内容』を入力することで、あとで見返しても支払内容がすぐに思い出せますし、間違っていてもすぐに修正することができます。
ステップ3.税金の計算に影響するか
最後に税金計算に影響するかを考えますが、これは判斷が難しいケースもあるので税理士の業務範囲かもしれません。
たとえば『消費税の課税と非課税の判斷』『給与に該当するかの判斷』『資産に計上するかの判斷』『交際費に該当するかの判斷』などがあります。
消費税の確定申告や、法人税の確定申告書を作るために必要な判斷ですが、一般的な経理の知識だけでなく税法の知識も必要となるため、税理士の業務範囲だと思います。自分で入力したいという人は顧問税理士や税務署に相談してみましょう。
勘定科目は増やせる
勘定科目は法律で決まっているわけではないので、車両費や事務用品費など必要に応じて増やすことができます。
ただし、接待交際費や給与や役員報酬など税金の計算に影響する勘定科目は、設定時の状態で使った方が税金の申告書を作成する際に混乱しません。
まとめ
経理をしている人のために、勘定科目を選ぶための3つのステップを紹介しました。
最初は難しいと思うかもしれませんが、事業の取引内容は基本的には同じことの繰り返しのため、慣れてくると使う勘定科目も固定化されてきて誰でもできるようになるはずです。興味のある人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。