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黒川博行『螻蛄』を読みました。読み方は”けら”です。

ヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮との疫病神シリーズです。

直木賞を受賞した同シリーズの『破門』を最初に読んでハマったので、今作も期待して読みましたが、非常に展開が早く一気に読めます。また桑原と二宮の会話が漫才のようで非常に楽しめます。オススメです。

読書日和│黒川博行『螻蛄』

あらすじ&感想

今作は、日本有数の大宗教法人であるお寺の宗宝を、強引に手に入れ、数千万円で売りさばこうとする桑原と、建設コンサルタントという半分ヤクザな商売をしている二宮が巻き込まれるストーリーです。

当初は1億円で捌けるはずが、宗教法人の内部スキャンダルもあり、東京のヤクザとの抗争に発展します。登場するのは、遊び人で借金だらけのクソ坊主や、ヤクザと繋がっているクソ刑事、ヤクザの元愛人の画商などクセのある登場人物ばかりです。

このシリーズの魅力は、テーマが実際の社会問題を取り上げているところです。宗宝をめぐる争いがメインですが、その裏に税金を免除されている宗教法人のざる勘定がありますし、信者5百万人を抱える宗教法人の権力闘争や経済問題がわかりやすく解説されています。

桑原というイケイケで暴力的なヤクザの鑑のような男が、その反面、法律や経済の勉強をして相手をやり込めるシーンは見応えがあります。また、二宮という素人の腰巾着がいることで、より分かりやすくなっています。

疫病神シリーズは、他にも国境や暗礁などまだ読んでいない作品があるので、読破してみたいと思いました。オススメです。

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