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最近の中小企業の税金と社会保険の負担がとくに重い理由

投稿日 : 2021年8月9日 / 更新日 : 2021年8月9日

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税金が多くて大変という相談はよく聞きますが、最近はそれに合わせて社会保険料の負担も重くて大変という中小企業が増えています。
この手の相談は前よりも多く聞くようなったので、自分なりに理由を考えてみました。

10年周期の経済危機

役員報酬と社会保険料のバランスが悪い

中小企業が法人税を節税しようと思ったら、単純に自分の役員報酬を増やせばいいだけです。
もちろん不相当に高額な役員報酬は損金が認められないため、適正な範囲での話ですが、それでも給与という経費が増えれば利益が減るのは当然です。
しかし、社会保険料は給与の金額に比例して増える仕組みとなっているため、法人税が減っても社会保険料が増えてしまい、トータルだと支出が減っていないどころか、増えてしまうこともあります。
これが社会保険料の負担を重くしている可能性があります。そのため、バランスの取れた役員報酬の設定が必要となってきます。

赤字でも発生する社会保険料と消費税

社会保険料は先述の通り給料の金額で決まるため、赤字でも毎月発生します。
これと同じで消費税も赤字でも発生します。なぜなら給料や社会保険料は消費税の対象外のため、いくら負担が大きくても消費税を節税する効果はまったくないからです。
特に消費税は10%になってから中小企業の資金繰りに大きな影響を与えています。
消費税にプラスして社会保険料も支払う中小企業の負担は重くなり、赤字の中小企業は支払えずに滞納するケースも出てきます。

社会保険料の労使折半という負担

社会保険料は労使折半という仕組みで、社長を含めた従業員の給料から半分を天引きし、もう半分を合わせた合計額を毎月納付することになっています。
物価がじわじわ上がる世の中で、従業員の給料を上げたい社長の気持ちと裏腹に、給料を上げた分以上に跳ね返ってくる社会保険料が給料を上げるモチベーションを下げているように思えます。
企業にとって社会保険料の負担が大きいのが社長の判断を鈍らせ、世の中のインフレに連動して給料が上がっていかない理由のような気がします。

人件費以外のコストもじわじわ上がってる

日本の景気は上がっていないのに、世界の景気が良くなっているため、仕入れコストがじわじわ上がり、社会保険料の負担が相対的に上がっている可能性があります。
理想を言えば、コストが上がっても売上も比例して伸び、それを給料に反映させながら日本全体の景気が上向くことがですが、現実はコストだけが上がり売上が伸びないため、コスト全体に占める社会保険料の負担が増えてきました。
さらに言えば、現状の人件費さえ負担できなくなってくると、従業員を減らすという流れも出てきました。

さいごに

特に最近ですが、中小企業の税金と社会保険料の負担が重くなっていると感じます。
その原因をいろいろ説明しましたが、根本的には、景気低迷で売上が伸びない中で、仕入れ価格、税金、社会保険料などのコストだけが増えていることが原因だと思います。
大企業なら状況は違うと思いますが、社員数名から数十名の中途半端な中小企業ほど負担が重くなってくると思います。悲しいですがこれが現実なのかもしれません。
これからは一部の大企業と、それ以外のウーバーなどの業務委託の個人事業主とか、社長ひとりのマイクロ法人などに二分化していくのかもしれません。これが衰退日本の現実かと思うと行末不安ですね。

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