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コロナ禍で売上1000万円以下となった場合の消費税の注意点

投稿日 : 2021年2月22日 / 更新日 : 2021年2月22日

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コロナ禍で業績が悪化した店舗は多いと思います。
なかでも、飲食店や美容室など個人経営の店では、2020年に限って売上高が1,000万円を下回ることもあると思います。
消費税では1,000万円が免税事業者のラインとなるため、注意が必要となります。
そこで、小規模事業者のためのコロナ禍での消費税のポイントを紹介します。

コロナ禍での消費税

消費税の課税売上は補助金は含まない

まず、消費税の課税事業者の判定で使われる【課税売上高】には、補助金は含みません。
2020年は補助金の大盤振る舞いでしたが、その中で「持続化給付金」「休業協力金」「家賃支援給付金」は税金の課税対象で貼るものの、消費税においては課税対象外になります。
これは、消費税の課税要件の一つである、「モノやサービスの対価であること。」に該当しないからです。配当金も同じ理由で消費税は課税されません。

そのため、所得税の計算で収入金額が1,000万円を超えていても、消費税の課税売上高では、1,000万円以下となる事業者も多いはずです。

なお、国民一律に支給された「定額給付金」は所得税においても課税対象となりません。

2020年からすぐに免税事業者になるわけじゃない

2020年に課税売上高が1,000万円以下となったからと言って、2020年の確定申告で消費税の申告が不要となるわけではありません。
消費税の課税事業者の判定は、基準期間の課税売上高で判定します。基準期間とは個人事業主においては2年前の課税売上高となり、法人においては2事業年度前の課税売上高となります。さらに数年前からは特定課税期間と言って、前年の売上も影響を与えることとなり、複雑になってきました。
細かいことは避けますが、大事なのは2020年の課税売上高だけで勝手に判断して消費税の申告を忘れないようにしてください。

免税事業者になる届出書は必要なのか

個人事業主の2020年の課税売上高が1000万円以下となった場合、最短で門前事業者となるのは2022年分の確定申告からです。
免税事業者になる場合は、管轄の税務署に自分が免税事業者になる旨の届出書が必要となります。
特に期限はないものの、届出を忘れていると消費税の申告書や納付書が届くことになります。
しかし、届出を忘れていたからと行って、免税事業者にならず課税事業者が継続され消費税の申告が必要になる。というわけでもないから忘れても問題にならないような気もします。
なお、あえて消費税の課税事業を選択している事業者は、この限りではなく、細かい届出書のスケジュール管理が必要なので注意してください。

棚卸資産にかかる消費税額の調整を忘れそう

「免税事業者が課税事業者になった場合」や「課税事業者が免税事業者になった場合」には、消費税の計算では、棚卸資産に含まれる消費税額の調整が必要となります。
具体的には、課税事業者が免税事業者になるときは、棚卸資産に含まれる消費税額を仕入税額控除から除外する制度です。
コロナ禍で2020年のみ課税売上高が1000万円となった場合、2021年分の確定申告でこの調整が必要となります。
単純な計算ミスとなるため、税理士として対象となる事業者を予めピックアップしておかないと怖いところです。
自分で確定申告している方は、ミスしないように注意してください。
税務署は虎視眈々と狙っているかもしれませんから。

なお、この調整が適用されるのは、消費税の本則課税のみで、簡易課税を選択している場合は関係ありませんのでご安心ください。

さいごに

コロナ禍で課税売上高が1,000万円以下となった場合の消費税の注意点をまとめました。
コロナ禍という特殊な事情だけに、国税もある程度優しい対応をしてくれればと思っていますが、ルール厳守なのが税務署なので、自衛していかなければなりませんね。

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