2020年から年末調整が電子化されるに伴い国税庁からアプリが無料で公開されました。
早速物好きなので、自分用として試してみました。

操作感は優しいけど税制が難しい
使ったかった感想としては「使いやすいけど、税金を知らない人には難しい」という印象でした。
公開されているアプリは、給与計算をする会社側のものではなく、従業員が使うもので、従業員自身のパソコンまたはスマホにダウンロードして操作してもらうものです。
そのため、会社側の時間的な負担は大幅に短縮できるはずですが、従業員の作業が増えるため、従業員自身にある程度のITスキルと、税金の知識が必要とされるシステムです。
操作自体は、親切なUIで、順番通りに進めていけば完成し、それを添付書類を添えて電子データまたは紙データで会社側に渡せば完了します。
しかし、条件面で複雑になった配偶者控除への理解や、介護保険や新旧が入り交じる控除証明書を読み取る知識が必要とされます。
そのため、これまで扶養控除等申告書に氏名住所を書いて、控除証明書をそのまま渡していただけの従業員にどこまでできるかは甚だ疑問です。
会社側の負担は逆に増える可能性も
上記の通り使いこなせれば、便利な年末調整システムです。控除証明書のデータもマイポータルで取得できるし!
しかし、高齢化社会で労働人口の年齢層も高い日本で、普及するには時間が必要だと思います。なれるまでは会社が指導することになり逆に時間が足りなくなる。という事態も予想されます。
また、電子で年末要調整を行う会社は事前に届け出が必要となるため、かなり周到な準備が必要となりそうです。
実際の運用は来年以降にしようかな
個人的には使っていきたい年末調整アプリですが、令和2年の今年に関しては時期尚早と思いました。
僕自身が受け取った電子データを処理する給与計算ソフトにも不安があるし、新しいアプリなので情報流出といったセキュリティの不安もあります。
本格的な運用は、給与計算ソフトが揃ってくる来年行こうかなと思います。
しかし、これまで通り紙で行う年末調整は、時代の流れとともに消えていくのだと思うし、消えていくべきだなと思います。
慣れているからと言って、これまでのやり方を踏襲するのは、効率を悪くして、そのうち時代に取り残されてしまうのですから。
