最近はUber Eatsが盛んです。コロナ禍もあって大学生や自粛中のサラリーマンも空いた時間を利用して働いています。
しかし、その一方で交通ルールを守らない無法者もいて、マスメディアやSNSで悪い意味で話題になっています。
Twitterでそのつぶやきを見ていると、意外とUber社の管理責任を批判するものが多くて、少し違うのでは?と思っています。
なぜならUber Eatsの配達員は、「食品を届ける」業務委託で、「時間と労働を売る」雇用契約でないないからです。
そこで今回は、業務委託と雇用契約の違いと、個人的に業務委託が増えればいいと思う理由を紹介します。

雇用契約と業務委託の違い
雇用契約と業務委託の基本的な違いを理解していない人が多くいます。
雇用契約はハローワークでの求人に代表されるように、雇う雇われるの関係です。
雇う側(会社)は雇われる側(従業員)に対価を支払う代わりに、従業員の時間と労働力を自由に使うことができます。
しかし業務委託は委託者(会社)の一定の決まった業務を依頼し、受託者(事業者)は自分の方法で結果を出し、成果物を会社に提出して対価を受け取ります。
Uber Eatsで例えると、「食品を届ける」という業務を、Uber社が依頼し、宅配人は自転車やバイクで届けることで報酬を受け取る業務委託契約です。
雇用契約のように、時間的に拘束されるわけでも、配達以外の業務を追加で頼まれることもありませんし、配達人が業務を拒否することもできます。
交通ルールを守らない配達人に対する対応
業務委託で仕事を受託した側が、ルールや法律を守らなかった場合は、仕事を委託した会社が、業務委託契約を解除し、損害賠償請求するのが通常です。
Uber Eatsで言うと、配達人との業務委託の契約解除し、その上で、配達人に損害賠償請求すればいいだけです。
当て逃げや信号無視など交通ルールを守らない配達人から被害を受けた人は、Uber社の管理責任を問うよりも配達人自身に責任を問うべきです。
現在マスコミやSNSでUber社の管理責任が批判されていますが、個人的には、最も批判されるべきは配達人であると思うし、Uber社自身もその配達人に契約解除や損害賠償請求すべきだな。と思います。
問題なのは、ルールを守らない配達人を放置してる?Uber社の委託者としての対応なのだと思います。
今後は業務委託が普及する社会へ
日本は高度経済成長の中で、会社が従業員を終身雇用を保障する代わりに、従業員も時間と労働の全てを会社に捧げる関係ができ、制度でも年金や健康保険、税金なども給与計算に組み込まれるようなシステムが出来上がってきました。
しかし、現在の会社は終身雇用の維持は困難になり、むしろ副業を勧めているような状態です。
さらに人手不足で常に求人している状態なのに、雇用の流動性が全くありません。
そうなると、現在の雇用契約は社会に合わなくなっていて、一定の業務のみを委託する業務委託契約のほうが社会の実情にあっていると思います。
自分自身の能力を活かし、いくつもの会社から業務を請負い報酬を得るほうが社会的に正常だと思います。
そのうえで個人で受け取った報酬から、健康保険や自分の老後の年金保険を支払ったり、税金を計算するのがいいはずです。
自分で納税することで社会に参加している意識が生まれるはずです。政府からしたら滞納が増えて嫌だと思いますが、徴収義務を会社に負担させるほうがおかしいはずです。
高度経済成長の雇用契約システムがそろそろ限界を迎えているのではないでしょうか。