新型コロナウイルスですべての経済活動がストップした4月、そして6月も終わりに近づき何となく収束ムードが漂う中で感染拡大がまたニュースで流れています。
多くの店で自粛を余儀なくされ、資金繰りに行き詰まり、倒産する企業が増えているニュースに、当たり前の日常の脆さと大事さを感じずにはいられません。

コロナ禍でも当然に来る納税通知書
コロナが怖いことは新聞やニュースで専門家が教えてくれて理解しました。
それに伴い半強制で自粛を迫る政府にも理解します。
なぜならここで感染を止めないと、さらに感染が拡大して取り返しのつかない事態になってしますから。
しかし自粛を強要され給料や売上が減少する中で、郵送されてきたのは固定資産税・住民税・自動車税の納税通知書です。
不測の事態になったときでも当然のように郵送するのだと逆に感心してしまいました。
日本の税金は、一年をサイクルにしてシステム化していて、この強固なシステムはどんな事があっても流れは変えられないのでしょう。
政府は補助金や給付金で援助してるアピールするより前に、まずストップするものがあるだろう。と呆れるけれど、一度稼働したシステムを止めるのは政府でもできないのかもしれません。
もし戦争になっても納税通知書が届くのだとしたら、僕らの生活や日常は税金システムに縛られているのかもしれません。
そして僕ら税理士の仕事は、このシステムを正常に稼働させるための歯車と同じに思えてきて、若干の嫌気が差します。
経理の重要さを再認識するコロナ
固定資産税や住民税・自動車税で税金の柔軟性のなさに、税金の嫌な面を思い知らされるコロナ禍ですが、その反面、僕らの税理士業務の重要性も身にしみました。
自粛の代償として持続化給付金や雇用調整助成金、家賃補助が始まりましたが、この恩恵を受けられるのは、毎年確定申告をして、日々の売上台帳を付け、帳簿や契約書を整理して保管している事業所です。
僕らの仕事は、この日々の面倒くさい作業をサポートする仕事で、コロナ禍でも自分のお客様はスムーズに補助金や融資を受けることができ最悪の事態は避けられたことには胸をなでおろしました。
変な話ですが、コロナ禍という緊急事態の中で、税理士という仕事について嫌なところと重要性の両方について考えさせられた気持ちです。
これからの日本経済の不安
コロナ禍でいかに日常が脆いかということを痛感しました。
僕ら世代はバブルを経験せず、日本経済の失われた20年のなかで生きてきました。
リーマンショック・東日本大震災を経験し、そして今回のコロナショックです。
正直、経済で美味しい思いをしていない世代です。勉強して税理士になり勤務し独立して何とか頑張ってきましたが、これからの経済を考えると不安しかありません。
とは言え、自分にできるのは税理士としての仕事だけで、それを愚直にやり続けるしかないのかなと思います。
個人事務所で限られた取引先と、限られた友人知人税理士仲間の中で、生きていくのが自分らしい日常だと再認識したこの頃です。
美味しい思いがしたいとは思いませんが、平和の日常の暮らしを取り戻したいと思います。