
個人事業主が事業を継続したまま組織を法人にすることを「法人成り」とか「法人化」とか言います。
いつ法人成りするかの決まりはありませんが、、そのタイミングが今じゃないでしょ。と思うことがたまにあります。
何回か法人成りのタイミングについて書いていますが、数字や年数を使わず初心者でもわかるように2020バージョンで書いてみようと思います。
節税目的の法人成りの勘違い
よくある法人成りの理由に「節税」が挙がりますが、税率だけなら節税になっても健康保険や厚生年金などの社会保険料も含めるとメリットが大きとは言えません。昔と違い社会保険への加入が厳しくなり、しかも保険料率が重くなっているからです。
法人は、従業員の社会保険料の半分を会社が負担するため(労使折半)、全額を従業員自身が負担する個人事業主のときよりも負担は増えます。しかも保険料率が気づかれない程度にジワジワ上がっているため、真綿で首を絞められるように資金繰りを圧迫するかもしれません。
税金から逃げるための法人成り
さらによくある法人成りのタイミングに「消費税の免税事業者」がありますが、これも結局は最長2年間の免税メリットを受けるための逃げの法人成りです。
個人事業主のときに消費税が払えないほど資金繰りが悪化している状況ならば、仮に2年間の免税事業者のメリットを受けても、課税事業者となってから必ず資金繰りに苦しむ未来が待っています。
法人成りは、税金から逃げるためにするものではなく、組織として育てる前提がないと失敗の可能性が高くなります。
税金がつらいと感じるのは2種類
税金がつらいと思う経営者には2パターンあり、1つは、資金繰りが潤沢で安定し、小規模企業共済や倒産防止共済などの節税した上で、それでも税金が増えてきたのでつらい。という経営者です。
もう一方は、資金繰りが悪化している状態で、自転車操業で単純に税金の負担が重い。という経営者です。
前者の経営者が法人成りしても成功すると思いますが、後者の経営者が法人成りしても結局はつらい状況になると思います。
法人成りのタイミング2020
最近法人成りする経営者が周りに増えてきたため、法人成りのタイミングを紹介しました。
結論としては、法人成りのベストタイミングは、やることをやり尽くして満を持したタイミングということです。
税金がつらいとか嫌だから、仕切り直すためのタイミングで法人成りしてもいいことはありません。同じような苦しさが待っているだけです。
2020年は数字や年数を使わず、小難しい説明を省いて、メンタル的な部分を使って法人成りを説明してみました。