BLOG

開業に役立つブログ

小規模事業者にデメリットしかないキャッシュレス決済のポイント還元

投稿日 : 2019年9月16日 / 更新日 : 2019年9月16日

Pocket

2019年10月に迫った消費税率10%への増税に合わせて行われるのが、「キャッシュレス決済のポイント還元事業」です。
経済産業省の公式リーフレットを読んでみたところ、正直な感想を言えば、消費者と決済業者ばかりが得する制度で、美容室や飲食店・整体院などの小規模事業者にとってはメリットがない制度だなと思いました。
そこで、中小事業者の立場から、キャッシュレス決済のポイント還元にメリットがない理由を紹介します。

キャッシュレス決済のメリット(公式)

経産省の思惑と見せかけのメリット

上記画像は、経産省の公式リーフレットで小規模事業者向けですが、この他に2種類あり「消費者向け」「決済事業者向け」もあります。小規模事業者向けのメリットは、以下のように説明しています。
1.端末代金と設置費用が無料
2.期間中の決済手数料が実質2.17%以下
3.集客力アップ

3つのメリットを説明するだけで、それに付随するデメリットについては、何も説明していません。そもそもメリット自体が、それほど魅力的とは言えません。
なんとなく、経産省のキャッシュレス決済を普及させたいという思惑と、その思惑を隠しておきたいという裏の事情が見えてきます。
以下、経産省が説明していない小規模事業者のデメリットを紹介します。

経産省のメリットが見せかけの理由

まず、端末代金と設置費用が無料と言いますが、それ自体が元から数千円から1万円程度の費用なので、事業経営の必要経費としては安いほうです。決済業者によっては無料のところもあります。なぜなら、決済業者にとっては最初だけの端末代金よりも将来ずっと続く決済手数料の方が利益率が高く重要だからです。

そして、決済手数料の実質2.17%以下についても、2020年6月末までの期間限定のため、それ以降については5%前後の決済手数料が堂々と徴収されます。小規模事業者は、当然キャンペーン終了後も事業を何十年と継続するため、1年弱のキャンペーンなんて雀の涙程度のメリットと言えます。逆に決済事業者は1年弱我慢するだけです。

集客力アップについても、抽象的で漠然としすぎていて説得力がありません。高齢の消費者はキャッシュレス決済が苦手ですし、若い世代もキャッシュレス決済のポイント還元について知らない現状では、知る頃にはキャンペーンが終わっていて、それほど大きな集客効果は見込めないと予想しています。
逆に、端末を導入できない店舗の競争力が失われる。とも言えます。

決済事業者が多すぎるデメリット

この他のデメリットに決済事業者が多すぎる点があります。。2019年8月末時点で400社を超えています。
決済方法には「クレジットカード」「電子マネー」「ICコード」などがあり、さらにその中で、さまざまな会社の方式があるため、一つの決済端末だけでは全てを対応することができません。消費者の立場からすると、いざ決済になって「このキャッシュレス方法は使えません」と言われたら店の印象は最悪です。

さらに、決済事業者が多すぎるということは、将来的には撤退する決済事業が出てくることが予想できます。
せっかく導入したキャッシュレス決済端末が、使えなくなる事態も考慮しておく必要があります。若い世代が経営する店舗では柔軟に対応できるかもしれませんが、高齢者が経営する店舗は置き去りにされることも考えられます。

まとめ:小規模事業者にメリットがないポイント還元

消費税率10%への増税に合わせて行われる「キャッシュレス決済のポイント還元事業」について、飲食店や美容室・整体院などの小規模事業者にはメリットがないことを説明しました。
そもそも消費税増税時の経済対策とキャッシュレス決済は結びつきません。無理やりキャッシュレス決済を普及させたい誰かの思惑かなと思ったりします。
小規模事業者は、目の前の小さな人参に惑わされず、本当に必要なものを実行していくことが求められているのかもしれません。

最後に『シェア』のお願い

この記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。   少しでも興味が湧いたり、おもしろいと思ったらの『シェア』ボタンを押してください。(ボタンは記事下部にあります↓   優良なコンテンツを書き続けるために頑張りますので、興味のある記事を読んで頂けると幸いです。 創業融資に強い税理士事務所
Pocket

無料ガイドブック(PDF)プレゼント

美容師必見!創業融資を受けるための
説得力のある事業計画書の書き方のコツ

~3ヶ月後に美容室を開業する美容師のための成功マニュアル~

無料ガイドブック(PDF)プレゼント

開業をご検討中の美容室オーナーに役立つノウハウをまとめました。

主な内容
・開業時の創業融資はなぜ重要か?
・創業計画書の書き方〔具体例〕
・融資の申込みから面談、決定までの流れ
 など
資料請求はこちらから

Copyright © 萩原健志税理士事務所 All Rights Reserved.

TOP