BLOG

開業に役立つブログ

美容室も無関係でいられない消費税の軽減税率

投稿日 : 2019年7月8日 / 更新日 : 2019年7月8日

Pocket

 ブログを記載している7月点でのお話ですが、2019年10月から消費税の税率が10%に上がる予定です。
選挙や経済情勢で確実と言えないまでも、80%から90%の確率で実施されると踏んでいます。
また、増税と同時に実施されるのが、消費税の軽減税率です。飲食品の販売(酒など一部を除く)と新聞(全国紙のみ)のみ8%の税率になる制度ですが、
飲食店でもない美容室のオーナーは、自分には関係ないと思われる人も多いですが、そんなことないのでその辺の事情を紹介します。

消費税の軽減税率とは

物やサービスを売ったり買ったりしたときには、対価にプラスして消費税(対価の8% or 10%)を上乗せします。
増税前の今なら対価1万円なら1万800円を支払いますが、10%の増税後は1万1千円になります。
キリが良くなって計算しやすい。なんてことがないのが軽減税率のワナです。

物品の中に軽減税率の対象品目があると、その品目については消費税率8%で計算する必要があります。
そのため増税後は、税抜き対価が1万円ピッタリでも食料品が含まれていると、単純に1万1千円とならないのです。

さらに細かいことを言うと、酒類は同じ食料品でも、軽減税率の対象外なので10%になります。
そのため、「みりん」は10%ですが、みりん風味の調味料だと8%になります。

また、飲食店での食事の提供も軽減税率の対象外(10%)となりますが、テイクアウトは食料品の販売なので8%軽減税率となります。
屋台は、店主がテーブルや椅子を用意すると10%になってしまうため、あえて撤去する店も登場する予感がありますし、コンビニのイートインも政府と調整して特例で軽減税率の対象とするようです。
なぜ!自分らだけ独自路線でいけるねん!と突っ込みたいところです。

この他にも、定期購読される新聞は軽減税率の対象となるのに、キオスクで買う新聞は10%になるなど、税理士でも間違うくらい複雑だし摩訶不思議な線引きとなっています。線引きマスターになりたい人は、下記のリンクから国の情報をチェックしてみてください。

消費税の軽減税率制度について

国税庁ホームページ

美容室にとっての消費税の軽減税率

さて、食料品の販売をしていない美容室でも、消費税の軽減税率は無関係ではいられません。
なぜなら、仕入で軽減税率の対象である食料品を購入する可能性があるから。そして、帳簿や領収証の様式が変わるから。です。
ちなみに、理容室では片栗粉を髪に軽くまぶして、正確に髪をカットしています。この片栗粉も食料品になるので軽減税率の対象となります。

仕入で食料品を購入するケース

美容室のお客さまに飲み物やお菓子を提供しているところは多いと思いますが、この飲み物やお菓子を購入するときの消費税が、軽減税率になります。
つまり、飲食料品を売ることはなくても、買う側で対応が必要となります。
帳簿を記載する際は、税率が異なるごとに記載する必要が出てくるため、これまでよりも帳簿を作成する手間が増えることは明らかです。

帳簿と領収証(レシート)の様式が変わる

消費税の軽減税率が実施されると、税率が異なる取引が混在することになります。
そのため、帳簿に記載する取引ごとに税率を記載する必要があります。
たとえ、売る側で対象品目がなくても、買う側で対象品目があるはずなので、帳簿の付ける難易度は跳ね上がるはずです。

また、お客さまに渡す領収証やレシートにも税率を記載する必要があります。
なぜなら、お客さまが芸能人等の事業者で美容室の利用料を経費とする場合は、帳簿に税率を記載しなければならないからです。
しかし、美容室で、しかも飲食料品の販売がないところでは、お客さまから税率を記載した領収証を求められることは少ないと考えられます。
もし必要なら、手書きで補完するなどの対応を検討すべきでしょう。

国税庁のリーフレットより

まとめ

食料品の販売がない美容室でも、消費税の軽減税率と無関係でいられない。というお話を紹介しました。
消費税の課税事業者であれば、白色でも青色でもこれは変わりません。
また、税務調査で、帳簿と領収証の税率の違いを指摘される可能性もあります。
そして、経費にならない家事費を経費としていた事業主は、帳簿や領収証の税率からすぐに不正がバレるようになるかもしれませんね。
そうならないためにも、勉強する必要があると思います。

個人的には、消費税率は10%からさらに上がると思うので、軽減税率も8%からさらに上がると予想しています。OMG!

創業融資に強い税理士事務所
Pocket

投稿タグ :

無料ガイドブック(PDF)プレゼント

美容師必見!創業融資を受けるための
説得力のある事業計画書の書き方のコツ

~3ヶ月後に美容室を開業する美容師のための成功マニュアル~

無料ガイドブック(PDF)プレゼント

開業をご検討中の美容室オーナーに役立つノウハウをまとめました。

主な内容
・開業時の創業融資はなぜ重要か?
・創業計画書の書き方〔具体例〕
・融資の申込みから面談、決定までの流れ
 など
資料請求はこちらから

Copyright © 萩原健志税理士事務所 All Rights Reserved.

TOP