かつて税務調査で指摘されるものの中に、ホテルや美容室のウェブサイト上の予約システムが資産計上されていない。というものがありました。
単純な店舗紹介用のホームページの制作費用は一括で経費処理しても良いけれど、専用の予約システムはそれ自体に資産としての価値があるという理屈です。
では、ワードプレスのプラグインのように、簡単にシステムを導入できる場合はどうなるのか考えてみました。
※これは個人的見解のため、個別案件すべてに対応する見解ではありません。ご注意ください。
ウェブサイトの基本的な経理処理
美容室や飲食店、ホテルや旅館では、企業のウェブサイト(ホームページ)で、サービスや料金を紹介するだけでなく、予約システムを導入しているものがあります。
企業は制作業者に依頼して、自社のデータベースにアクセスできる予約システムのプログラムを構築してもらいます。
このプログラムの構築費用が、税法上ではソフトウェアと考えられるため、制作業者からの請求明細書のうち、予約システムの構築費用はソフトウェアに計上して減価償却していきます。
なお、ウェブサイトの更新費用やメンテナンス費用のように定期的かつ頻繁に発生するものは、支払った時点で費用処理することになります。
ワードプレスの予約システムのプラグイン
最近では、データベースはクラウド上にあり、更新やメンテナンスはオンラインでアクセスして簡単に行うことができます。
また、ワードプレスのプラグインのように、世界中の人がシステムを開発そして公開し、必要に応じて簡単にウェブサイトに追加できるようになりました。
予約システムのような素人では手がないシステムも、少し技術があればウェブサイトに簡単に追加することができます。(グーグルカレンダーと連動したり便利です)
このような予約システムも、本当にウェブサイトの制作費用と別にして資産計上すべきなのでしょうか。
個人的には、プラグインを開発した人は、その製造原価を資産計上し、それを利用するだけの人は、費用処理しても良いような気がします。
もちろん資産計上すべきほどシステムをいじったり、金額が大きいものは検討すべきですが、少額ならば・・・という気がします。
まとめ:世の中の流れに遅れる税法の考え方
企業のホームページ上の予約システムの経理処理について考えてみました。
この税法ができたのは、まだホームページが珍しい時期で、制作費用も今よりもずっと高かったのだと思います。
だからこそ節税目的で使われないための規定だったのだと推察します。
ですが、現在のように誰でも簡単にそして自由にウェブサイトを制作できる今は、時代遅れの法律なのかもしれません。
