綾辻行人『Another』を読みました。
文庫版の上下巻なので量はありますが、文章はそれほど重くなくてサクサク読めました。
なんの前知識もなくミステリーかなぁ。くらいで読み始めたので、ホラーモノとは思っても見ませんでした。
正直それほど怖くありませんが、夏に読む小説としては季節的におすすめかもしれません。
あらすじ&感想
主人公のサカキバラは、父の海外出張を理由に、母の出身地の夜見北中学校に転校することになる。
4月から転入する予定が、肺の病気で入院したことで、1ヶ月遅れの5月から登校することになる。
転校した3年3組は、曰く付きのクラスで、不定期にクラス関係者が亡くなるという現象がおきていた。
この現象の対策として、先生を含めクラス全員で誰か一人を無視し、クラスに存在しないものとして扱うということをしていたが、
それを知らない主人公は、その対象となった眼帯をした謎の白蝋めいた美少女に声をかけてしまう。
感想としては、学園モノでホラーあり、謎解きありのミステリー、しかも美少女との甘酸っぱい青春あり。というてんこ盛りのストーリーでサクサク楽しめました。
ホラー要素は小説で読むとそれほど怖いと感じません。やはりホラーは、映像とか音声で感じるものなのかもしれません。
小説で読む怖さで言ったら、京極夏彦の小説に勝るものはまだ読んでいません。
アニメ化もされているので、機会があれば見てみたいと思います。
ちなみに、Anotherというタイトルは、クラスに紛れ込んだもうひとりの死者という意味だと思います。