カフェや喫茶店の開業を目指す人は多いですが、それと同時に廃業する人もたくさんいます。
開業する人のうち3年後に残っているのは半分以下。と言われています。
数百万円の開業資金をかけてオープンしたのに、数年後に赤字になるなんて残酷な話です。
そこで、憧れだけでは超えられない現実として、喫茶店の開業が失敗してしまう理由を税理士として考えてみました。
開業前の事業計画が甘い
カフェや喫茶店の経営も、大きく言えば飲食店の経営ということになります。
開業には、店舗の物件探しから内装工事、設備などで数百万円の開業資金が必要になり、自己資金が足りなければ融資を受ける必要があります。
オープンしてからは、毎月の売上から、翌月の材料を仕入れなければなりませんし、家賃やアルバイトの給料が必要となります。さらに融資を受けているときは元本と利息を返済しなければなりません。
このような収入と支出をできる限りリストアップしてから開業する必要がありますが、失敗する人の多くが自分に都合の良い予測を立ててしまう傾向にあります。
固定客・見込客がいない
開業してすぐに軌道に乗る人と、失敗してしまう人の違いが開業時点の見込客の多さです。
飲食店や美容室で開業する人は、開業までに何年間も他店での勤務経験があり、それなりの地位と評判を確立している人が多いですが、カフェや喫茶店の開業は、脱サラや未経験からの参入が多いのが特徴です。
そのため、見込客が多い状態で開業すればすぐに売上も増えてきますが、見込客がいない状態で開業するときは、固定客が付くまで耐えられる半年から1年分の運転資金が必要となります。
運転資金が足りない
開業はできても数年後に廃業してしまう理由に「運転資金の不足」があります。
喫茶店やカフェは、居酒屋や美容室に比べて客単価が低いため、サイドメニューによって客単価を上げたり、回転率を上がることで売上を上げるしかありません。
コーヒーなどの商品仕入は売上の変動に連動しますが、家賃や人件費、水道光熱費は毎月必ず一定の金額が発生するため、売上に関係なく出ていくため、すぐに資金繰りが悪化します。
経費削減で商品の品質を落としたり、広告宣伝費を削ると、売上や評判に響く可能性もあります。
事業の経験がない
飲食店の廃業率が高い理由として、飲食業は脱サラや修行なしで開業する割合が他の業種よりも高いことがあります。
事業の経験がないことが飲食店業の廃業率を上げていると考えられます。
そのため、逆に考えてみると、しっかりと経験を積むことで、失敗の可能性は減らせるとも言えます。
まとめ
カフェや飲食店の経営が失敗しやすい理由を考えてみました。
税理士という仕事柄か、お金に関することが多く現実的な目線になってしまいました。
しかし、カフェや喫茶店は、開業も多い反面廃業も多いのが特徴ですが、それはそれだけ成功している人も多く、魅力的な業種だからだと思います。
これからカフェや喫茶店を開業する人が、成功することを心から祈っています。
