2018年最初の読書は、和田竜『村上海賊の娘』を選びました。
気になっていた作品でしたが、上下巻とやや長いので気後れしていましたが、一念発起して年末年始にかけて読んでみました。
歴史小説と聞くと、難しそうというイメージもありますが、エンターテインメント性あふれる作品でスイスイ読めました。
和田竜の『のぼうの城』も痛快な作品でしたが、今回はさらに輪をかけて痛快な作品でした。
映画化しても楽しいだろうな。と思わせる作品で、主人公ならきっと綾瀬はるかだなと。勝手にイメージして読んでいました。
ちなみに内容は、歴史文献を参考にした事実をもとに、作者が脚色して描いたものなので、史実をもとにしたフィクションです。
あらすじ&感想
時代は、天正四年(1576年)天下統一を目指す織田信長が西に勢力を伸ばそうとしていた頃。
瀬戸内海では3つの家からなる村上海賊が、瀬戸内海を通る船から巻き上げる通行料で荒稼ぎをしていた。
とくに能島村上の姫『景(きょう)』は、女でありながら、男勝りの海賊働きをしていた。
そのせいか、嫁の貰い手がなく、父親の村上武吉も苦慮していた。
ある日、いつものように海賊働きをしていた景は、大坂本願寺に向かう門徒たちを助ける。
その門徒たちは、信長の兵糧攻めに苦しむ大坂本願寺を、わずかな食料とともに助けに向かう途中であった。
景は、婿探しもかねて大坂本願寺まで門徒たちを届けることになってしまう。
門徒たちを大坂本願寺に届けた景は、そこで織田勢と大坂本願寺との戦を目にすることになる。
そこで戦の本性に触れ、安易に戦に憧れを抱いていた自分に絶望してしまう。
一方村上家では、毛利家の要請のもと、兵糧を大坂本願寺に届ける助けをすることになる。
しかし、大坂本願寺への入口となる木津川の河口には、真鍋家を筆頭とした泉州侍がそれを阻止しようと守りを固めていた。
兵糧を届けたい毛利家と村上家、木津川でそれを拒む泉州侍、そして景という鬼手が絡み合いながら戦へと突入していく。
感想としては3時間の映画を見ているように読める作品でした。
読みながら勝手にイメージしていたのは、景は綾瀬はるか。敵将の七五三野兵衛(しめのひょうえ)は宇梶剛士。許嫁の就英(なりひで)は及川光博でした。
史実として読むと軽く思えてしまいますが、エンターテインメント作品として読むと楽しかったです。
歴小説が苦手な人にはオススメの作品です。