一般的な大学生の就職活動は、大学3年生から説明会が始まり、大学4年生になると本格始動します。
ですが、会計事務所への就職は一般的な大学生と違い、時期もスケジュールも全く異なります。
具体的には、税理士試験が終わる8月と、結果発表がある12月の1ヶ月間が就職活動の期間となります。
会計事務所への就職希望者は、この1ヶ月弱という短期間で、自分の将来を決めなければなりません。
これは自分も同じでしたが、大学を卒業してはじめて社会人になる人には、とても難しい人生選択です。
なぜなら、はじめて就職する人にとっては、会計事務所の仕事内容さえ知らないのですから。
そこで、はじめて会計事務所へ就職する人のために、面接時に確認しておくべきポイントを紹介します。
※これは、自分の経験と私見に基づく記事のため、個別の問い合わせや意見にはお答えできません。予めご了承ください。
業務内容
まず、はじめて会計事務所へ就職する人は、どのような業務をしている事務所なのか確認してみましょう。
会計事務所と言っても千差万別で、顧客が大企業中心の事務所もあれば、商店街の個人店が中心の事務所もあります。
また、専門性の違いもあり、相続税専門など税目に特徴がある事務所や、医療機関や社会福祉法人など業種に特徴がある事務所もあります。
自分の将来のキャリアプランを事前に考えておくと、希望の会計事務所が見つかるかもしれません。
人数
会計事務所の規模は、売上高よりも人数の方が比較しやすいと思います。
単純に人数が多い事務所は、それだけで規模が大きい事務所だと判断できます。
ですが、日本のほとんどの会計事務所は少人数で経営しているため、少ないからと言って不安がる必要はありません。
小さい事務所でも良い事務所は多いですし、逆に大きいから安心とも言えないのが会計事務所の怖いところです。
入社した人数と辞めた人数
ブラック企業かの判断指標のひとつとして、直近1年で入社した人数と退職した人数を確認してみましょう。
社員の入退社が多い事務所は、仕事が過酷であったり、人間関係が上手くいっていない可能性もあるため、注意が必要だと思います。
面接でのこの手の質問は失礼かもしれませんが、自分の人生がかかった選択ですから、必要なら質問しても良いと思います。
売上高と顧問先数
売上高と顧問数を確認すると、平均の顧問料が計算できます。
実際には、顧問料が高い顧問先と、安い顧問先があるため単純に比較できませんが、収益率の判断材料にはなります。
平均顧問料が低い事務所は、薄利多売の会計事務所とわかりますし、平均顧問料が高い事務所は収益率が高いと判断できます。
ただし、平均顧問料が低くても、戦略的に業務効率化している事務所もあるため、戦略なく薄利多売をしている事務所だけは注意した方がいいと思います。
予定担当件数
入社後に任される業務内容や担当件数を聞いてみましょう。
おそらく「業務を教えながら少しずつ増やしていく」と言われると思います。
ですがここで、「すぐに20件任せたい。」や「すぐに任せたい案件がある」と言われたら仕事だけが増えて余裕のない事務所かもしれません。(戦略なき薄利多売の会計事務所)
一般企業であれば1年から2年をかけて仕事を覚えるところを、会計事務所では即本番で仕事を任せるという悪しき風習が未だに残っています。
事業の財務状況と継続性
せっかく入社した会計事務所が潰れてしまっては、自分のキャリアに傷がつくので注意が必要です。
そこで、その会計事務所の直近の利益や財務状況を確認してみましょう。
それが無理であるなら、赤字か黒字か確認するだけでも継続性の判断指標になります。
また、事業承継できずに廃業する会計事務所も増えているため、代表者の年齢や後継者の有無、平均年齢なども判断材料となります。
税理士の平均年齢が60歳を超えていることを考えれば、面接時に確認する必要がある要素のひとつです。
福利厚生
女性が会計事務所に就職を希望する場合は、産休や育児休暇などの福利厚生について確認しましょう。
これは事務所によって千差万別で、比較的規模の大きい事務所のほうが福利厚生が充実しています。
ただし、小さい会計事務所でも人に優しい事務所だと、法律や金銭以外の部分で女性をサポートしてくれることもあります。
(おまけ)残業・休日出勤の有無
ブラック企業というと残業や休日出勤というイメージがありますが、これは会計事務所だと参考程度にしかなりません。
なぜなら、年末や2月3月頃は繁忙期で残業や休日出勤は、ある程度覚悟しなければならない業種だからです。
それでも、繁忙期以外の時期の残業や休日出勤について質問するのは、参考にはなるかもしれません。
まとめ:入社してからでは遅い!
会計事務所の面接で確認すべきポイントについてまとめてみました。
はじめての社会人で会計事務所を希望する人は、面接や説明会で上記のポイントを確認して参考にしましょう。。
ただし、これだけ確認しても、実際に入社してみると「話が違う」と思うことがあるかもしれません。
それが会計事務所と言うか現実社会の怖いところです。僕も経験しました。
だからこそ面接時の確認は重要になってくると思っています。