最近の会計ソフトはペーパレス化とクラウド化がすすんでいますが、会計データの入力もずいぶんとラクになってきました。
特に最近では面倒な領収証のデータ入力も、スマホで撮影したりスキャナで読み込むことで自動で仕訳データに変換してくれるものもあります。
このおかげで、個人事業主の確定申告もずいぶんと手間を省くことができますが、税務相談をしていると意外とこの機能を使いこなせる人は多くないことがわかりました。
そこで、「自分にはできないよ。」という人のために根本的な対処法を紹介します。
スマホ撮影による入力は意外と面倒
この機能の便利なところは、会計の知識がなくても勘定科目を判断し、複式簿記で仕訳データを作成してくれることです。
複式簿記で帳簿を付けると、青色申告で確定申告ができるため、特別控除等のメリットを受けられます。(事前申請が必要)
しかし、個人事業主で自分で確定申告している人の中には、2月から3月の確定申告直前に1年分の領収証をまとめて会計ソフトに入力している人もいると思います。(ほとんどの人は毎月入力していると思いますが)
1年分の領収証をまとめて入力すると、クシャクシャになっていたり、破けていたり、感熱紙のレシートで文字が消えていたりして、上手く取り込めないことがあります。
そもそも、自動入力をするには、勘定科目や税率などを事前に登録しておく必要があり、この段階で挫折する人もいて、意外と使いこなせない人が多いのが実情のようです。
会計データの手入力への回帰
スマホやスキャナによる領収証の仕訳データ化ですが、この機能をしっかりと使いこなせる人は、もとから手入力による会計ソフトへの入力もできている人のような気がします。
勘定科目や消費税の税率、複式簿記や家事関連費の考え方など簿記や経理の知識を持っているからこそ、事前の登録ができ、自動入力にも対応できるような気がします。
そう考えると、スマホやスキャナによる領収証の仕訳データ化ができないと思っている人は、スマホや会計ソフトの登録や設定を悩むよりも、簿記の勉強をして、領収証を見ながら会計ソフトに手入力したほうが、はるかに処理スペードや正確性が上がると筆者は思います。
簿記3級程度の学習であれば、1ヶ月程度の勉強時間ですし、簿記の知識を持つことで、スマホの設定を勉強するよりもはるかに汎用性があるような気がします。
まとめ
スマホやスキャナによる領収証の仕訳データ化ができないときの対処法として、無理に自動入力にこだわらずに、簿記を勉強して手入力したほうが、結果としては処理スピードは上がるし、正確性も高まりますよ。ということを紹介しました。
さらにアドバイスするとすれば、確定申告の資料を1年分溜めることはせず、毎月1日に前月分を処理するなどスケジュールを決めておくと2月3月がラクになります。
税務相談で入力方法を聞かれても、ベンダーさんによって使い方が異なるので説明できませんが、それよりも簿記の勉強したほうが便利なのになぁ。と思った次第です。
これから消費税率の改正があると、税率の登録が必要になったり、取り込み作業が複雑になるかもしれません。※この記事は2017年11月時点のものです