税理士や行政書士などの士業、そして士業に限らず個人事業主は、軌道に乗るまでは経営が大変で、特に開業1、2年は特に大変です。
『売上を何とか上げたい』という気持ちが強い時期ですが、そんな心理に付けこんだビジネスがあり、それを『ひよこ食い』と呼ぶことがあります。
すべての業者が悪いとは思いませんが、非常に高価で効果が期待できるか未知数のものもあります。開業したばかりの経営者は、その中から自分に必要なものを見定める力が必要だと思います。
ひよこ食いとは
ひよこ食いとは、主に税理士や社労士など開業したばかりの士業向けのビジネスですが、美容室や飲食店など広い意味で開業したばかりの個人事業主をターゲットとしたビジネスも含みます。
名目はいろいろで『すごい集客の手法教えます』『失敗しない開業ノウハウ』『起業コンサルティング』『開業1年目限定セミナー』などがあり、基本的には、入り口は無料セミナーなどで集客し、その後で高額な商品を販売する流れです。
繰り返しますが、すべての業者が悪徳とは思いません。実際に自分も色々参加して勉強できたものもありますから。
狙われる資格保有者
ひよこ食いのターゲットになりやすいのは、税理士や社労士、行政書士など資格を持った士業です。これは、やはり士業全体が、看板を掲げているだけでは食えない職業になってきたからかもしれません。
自分も顧問先ゼロで開業したので、何とかしたいと思い多くのセミナーや交流会に参加しました。(今は参加していません。)
セミナーに参加すると、実際に成功した先生が講師となって登壇し、ノウハウや成果(自慢?)を1時間ほど話します。ですが、そのノウハウの核心部分については触れず、核心部分を知るためには、運営会社の高額な商品やサービスを契約しないといけない。という仕組みでした。
自分の場合は開業資金が多くなかったので、契約はしませんでしたが、同じセミナーに参加した他の士業の先生のなかには、契約している人もいました。(今はどうなったか知りません。)まぁよく考えれば、無料セミナーでノウハウを得ようとする方がおこがましいですから、ノウハウの一端を知れただけで満足すべきところだと、今なら思います。
ひよこ食いに合わないために
良識あるセミナーであれ、悪徳セミナーであれ、開業したての個人事業主をターゲットとした『ひよこ食い』は、自分で必要なものを見極め、自分の開業資金と相談して、運転資金に手を付けない範囲で投資すれば良いだけです。
開業資金のほとんどは『運転資金』のはずで、それでも自由に使える部分が、将来への投資や広告に使われるはずです。それを運転資金の部分まで高額セミナーに回すから失敗するのだと思います。失敗するケースとしては、この方法しかないと思いこんで、開業資金の大半を投資に回してしまうことです。
どうしても必要と感じたら、軌道に乗ってから高額セミナーに参加しても良いのですから。開業したての頃は使える資金の範囲内で投資すれば良いと思います。
まとめ
開業したての新人をターゲットとした『ひよこ食い』について、自分の体験談と対処方法(考え方)を紹介しました。
ひよこ食いのビジネスは、星の数ほどあり売上が上がらない時期は、飛びつきたくなりますが、大事なのは運転資金にまで手を付けないことではないでしょうか。
自分の場合はもとから開業資金が少なかったため、コンサルティングやセミナーに最小限しか投資できず、ウェブマーケティングや集客方法は独学で勉強していましたが、今となってはその方が良かったと思っています。