サラリーマンをしながら副業をする人が増えているそうです。その背景には残業代が出ない会社の業績の低迷や、会社自体が副業を認めているケースもあるようです。
しかし、簡単に副業と言っても必ず成功するわけではありません。そこで税理士っぽく税金の視点からどちらが得か検討してみました。
なお、前提として、副業と残業で同じ収入を得るものと仮定します。また副業を一般的な事業と想定し、投資を除外しています。
※この意見は個人的見解を書いたものです。この記事から生じるあらゆる損害について当社は責任を負いません。
残業の税金のポイント
残業代で副業と同程度の収入を得る場合は、給与所得として税金(所得税)を課税されることが、副業との大きな違いです。
所得税の計算では、給与所得の場合は収入金額から給与所得控除と言って、事業主で言う経費相当額を控除することができます。なお、その控除額は給与の上昇と比例して増えます。(ただし、上限あり)
副業の経費は実際に支出したものが経費となりますが、給与については実際には支出しなくても一定額を経費相当額として控除できるメリットはあります。
また、手続き面のメリットとして、税金の計算や申告など面倒な手続きが不要なことです。給与として課税されていれば、年末調整で税金の計算は一旦確定します。(医療費控除などを受ける場合は別途確定申告が必要です。)そして住民税の申告も不要です。
副業の税金のポイント
副業で残業代と同じ収入を得る場合のポイントは、収入を得るために支出したものが経費になることと、翌年3月に確定申告が必要になることです。
副業はサラリーマンの立場とは別に事業をしていることになるため、収入に紐付けられる支出は経費となります。支出額によっては給与所得控除額よりも大きくなり税金の負担が少なくなる可能性があります。
しかしデメリットとして、確定申告の必要が出てくることです。
副業が雑所得に該当する場合『20万円ルール』が適用されて、収入から経費を控除した所得が20万円以下なら確定申告しなくても良い。と言う情報がありますが、これは所得税の確定申告のルールで、住民税の確定申告は20万円以下でも必要なります。
まとめ
同じ収入なら副業と残業のどちらがお得か?という問題を税金の観点から考えてみました。
ここからは個人的見解ですが、同じ収入と仮定するなら、残業して稼いだほうがお得だと思います。理由は下記の3つです。
1.給与所得控除額が使える
2.確定申告が不要
3.本業なので勉強が不要
4.事業で損するリスクが少ない
逆に考える場合、つまりリスクを負ってでも副業をしたほうが収入が増えると思えること、税金や確定申告ができるマメな人であれば、副業でも成功する可能性があります。リスクとリターンを比べてから副業に挑戦してみてください。