消費税の納税義務1年目の確定申告は、これまでよりも計算が複雑になって大変。
そんな時に頼りなるのが電卓!しかし、設定してある税率が3%のままで使えない。設定を変えたいけれどやり方が分からない。
そこで、経理初心者のために、電卓の機能に頼らないで消費税を計算する算式を紹介。
※この記事は、消費税率8%(0.08)の2017年の記事です。もし10%(0.1)に税率が上がったら10%に読み替えてください。
税込金額を税抜金額に修正
税込金額で表示されているものを、税抜金額にするには下記の計算方法となります。
税込金額×100÷108 または 税込金額÷1.08
例えば、108万円(税込)の場合は、100万円になれば正解です。(当然ですね)
税率が10%になったら108が110に、1.08が1.10になるだけです。
この算式は、消費税の納税義務の判断基準となる『課税売上高』を計算するときによく使います。
税抜金額を税込金額に修正
逆に、税抜金額を税込金額にする場合は、次の計算式となります。
税抜金額×108÷100 または 税抜金額×1.08
この計算式は確定申告で使うケースは少ないかもしれませんが、飲食店など店舗経営者が、お客に代金を請求する場面で必要になるかもしれません。
電卓メーカーによっては、「税抜金額+8%」でも計算できます。
税込金額の消費税を抜き出す
税込金額から消費税を抜き出すには、ひとまず税抜金額に修正してから税率をかけても良いですが、少し短縮すると次の計算式になります。
税込金額×8÷108
よくある間違いとして「税込金額×8÷100」というのがありますが、これだと誤った消費税額になるので注意しましょう。
悪い例)108万円(税込)×8÷100=86,400円
税抜金額の消費税を計算
税抜金額から消費税額を計算するは、単純に税率を乗じるだけなので一番簡単です。
税抜金額×8÷100 または 税抜金額×0.08
電卓のメーカーによっては「税抜金額×8%」でも計算できます。
国税から地方税を計算する方法
2017年時点の消費税の税率は8%ですが、これは国税6.3%と地方税1.7%の合計税率なのです。実は!
そのため、実際の消費税の確定申告では上記のように、「×8÷108」という算式の他に、次の算式も使います。
税込金額×6.4÷108
こうすることで、税込金額から国税6.4%だけを抜き出すことができます。
さらに、国税の消費税から地方税の消費税を計算するには、次の計算式となります。
国税の消費税額×17÷64
例えば、108万円(税込)の場合は、64,000が国税となり、17,000円が地方税となります。
おまけ:千円未満切り捨てにする方法
消費税の計算では、税率を乗じる前の金額(課税標準という)は、千円未満の数字を切り捨てします。
そんなときは、電卓の矢印(→)を使います。
まず、矢印(→)を3回押して下3桁の数字を削除し、次に「×1000」をすると、元の金額の千円未満切り捨てした後の金額になります。
まとめ:知れば確定申告が楽になる電卓の使い方
電卓の機能に頼らないで、消費税の計算をするための計算式を紹介しました。簡単ですが、意外と知らない人も多いので参考にしてみてください。
特に、確定申告では国税と地方税を分ける必要があり、電卓を国税6.3%と地方税1.7%に設定している人はいないと思います。
そんなときに算式を知っていると、確定申告が少し楽になるかもしれません。