開業する時に悩むのが資金繰りではないでしょうか?
どのぐらいの売上を達成すれば生活が成り立つのかということは不安ですし、営業を続ける上でとても重要な指標です。
そこで、美容室や飲食店などこれから開業する個人事業主のために、売上目標の立て方について紹介します。
売上目標の計算
売上目標の計算方法は下記のようになります。
経費(固定費+変動費)+1ヶ月に必要な生活費=売上目標
経費の総額と売上高が一致する状態(『経費=売上高』)は、いわいる損益分岐点と呼ばれるものです。
しかし損益分岐点の売上高はあくまで事業上の損益で、それ以外に自分が生活するための資金(生活費)も必要となるため、開業時の売上目標は経費に生活費を含めた金額となります。
ちなみに、変動費とは、売上の増加に比例して増える経費のことで、商品や材料、食材などが該当し、固定費とは、売上に関係なく発生する経費のことで、家賃や水道光熱費、通信費などが定期的な支出のことをいいます。
経費の計算
経費の計算は、支払項目をその周期ごとに区分し、それを1ヶ月単位に計算し直すことで、1ヶ月ごとの必要経費が計算できます。
毎月支払うもの
家賃、電気代、水道代、ガス代、電話代、インターネット代、タオルや洗剤など消耗備品など
1年ごとに支払うもの
所属団体への会費、固定資産税、所得税、損害保険料、ドメイン使用料、設備のメンテンナンスなど
1年単位で支出するものは『支払総額/12ヶ月』から計算します。
【 計算例 】固定資産税
10万円/12ヶ月=8,300円(百円未満切り捨て)
不定期に支払うもの
チラシやアドアーズなど広告宣伝費、器具備品の購入、名刺の印刷、など
不定期の支出は、1ヶ月から3ヶ月の支払合計から1ヶ月単位の支払額を計算することで、おおよその経費が計算できます。
【 計算例 】3ヶ月に1回のポスティング費用
5万円/3ヶ月=16,600円(百円未満切り捨て)
このように、支払う項目を周期ごとに書き出し、計算することで1ヶ月に必要な経費の概算額が計算できます。
1ヶ月に必要な生活費
生活費については人によって異なりますが、経費と同じように周期ごとに書き出して、1ヶ月毎の平均額を計算してみましょう。
具体的には、食費、賃貸料、洋服代、遊興費、スポーツジムの会費、住宅ローンの返済、自動車ローンの返済など、事業に関係ない支出を書き出してみましょう。
事業主によって生活レベルや家族構成が異なりますが、その事業主の1ヶ月に必要な生活費が事業で達成すべき利益になると考えると分かりやすいと思います。
まとめ:人によって異なる売上目標
開業時に設定すべき売上目標について解説してみました。
ポイントは『生活費も考慮すること』と『支払周期ごとに区分すること』です。
事業で利益を出すためには、損益分岐点を超える売上高で充分ですが、営業を継続するためには生活費を含めた売上目標を達成する必要があります。
これから開業する個人事業主は、開業前に必要な経費と生活費を書き出して計算してみてはいかがでしょうか。
なお、事業によって利益率も原価率も異なり、生活費も家族構成で異なるので、統計データにあまり意味はなく、自分の状況に合わせて計算することをオススメします。
