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個人の美容室が従業員に賞与を支給した時の税金と社会保険料の計算

投稿日 : 2016年10月10日 / 更新日 : 2018年6月22日

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個人で経営している美容室や飲食店でも、従業員やスタッフを雇用するとボーナス(賞与)を支給することがあります。

ボーナスの支給基準や計算方法は千差万別ですが、ボーナスに対する税金や社会保険料の計算方法は法律で決まっています。しかも、毎月支給する給与とは計算方法が違うため注意が必要です。

そこで、ボーナスに対する税金や社会保険料の計算方法と手続き方法をまとめました。この税金や社会保険料の計算と納付は、方法を知れば誰でもできるので、個人事業主で従業員やスタッフを雇用している方は参考にしてみてください。

賞与にかかる社会保険料と源泉所得税の計算

社会保険料の計算と納付

賞与に対する社会保険料は、次のように計算します。なお、理容・美容・飲食店など一部の業種は、社会保険への加入が任意となる『非適用業種』とされています。

標準賞与額 × 保険料率 × 1/2

標準賞与額とは、賞与の総額の千円未満を切捨てた金額のことをいいます。

保険料率は、協会けんぽと組合健保で異なります。また、都道府県や年度(月)でも異なるため、適用される料率を間違えないように注意しましょう。

[参考ページ]

社会保険料の保険料額表

引用│全国健康保険協会(協会けんぽ)

 

賞与に対する社会保険料の手続きは、賞与の支給日から5日以内に『賞与支払届』と『賞与支払届総括表』を年金事務所か協会けんぽ等に提出します。

翌月に『保険料納入告知書』が届くので月末までに金融機関で納付します。なお、毎月の給与と同じように保険料の半分は事業主の負担です。

雇用保険料の計算

賞与の雇用保険料は、毎月の給料と同じように計算します。

賞与金額 × 雇用保険料率

賞与金額は、社会保険料の計算と違い、千円未満切捨ての必要はありません。

雇用保険料率は、業種や年度で異なるため厚生労働省のホームページで確認しましょう。なお、美容室や飲食店の平成30年度の労働者が負担する雇用保険料率は3/1000(0.3%)です。

[参考ページ]

雇用保険料率について

引用│厚生労働省ホームページ

税金(源泉所得税)の計算と納付

賞与の源泉所得税は、上記で計算した社会保険料等を控除した残額に、税率を乗じて計算します。

(賞与金額-社会保険料-雇用保険料)× 税率

適用する税率は、毎月の給料で使用する『源泉徴収税額表(月額表)』ではなく、『賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表』を使用します。

また求め方も『前月の給与等から社会保険料等の金額を控除した残額』と『扶養親族の数』を使って探します。賞与の金額ではなく前月の給与を使って税率を求めるところがポイントです。

まず、扶養親族の数の列から、前月の給与等から社会保険料等の金額を控除した残額がある行を探します。(参照:図①)

次に、その行を左にスライドすると適用税率が求められます。(参照:図②)

H29賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表│適用税率の探し方

 

賞与の支給は社会保険のような手続きは必要なく、毎月の給与の源泉徴収税額と同じように納付書に記載して、金融機関で納付します。

住民税

都民税や県民税・市民税などをまとめて住民税と呼びますが、賞与の支給で住民税は考慮する必要はありません。

住民税は、前年の所得金額から計算し翌年に納付するため、今年の賞与の支給では影響を受けず、翌年の住民税に反映されます。

まとめ:給与とは違う賞与の税金と社会保険料

賞与から控除すべき社会保険料と雇用保険料、源泉所得税の計算方法をまとめました。

賞与は毎月支給する給与と計算方法や手続きが違うため、オーナー自ら給与計算をする美容室や飲食店は参考にしてみてください。

個人で経営する美容院や飲食店で社会保険へ加入していない事業所では、計算方法さえ覚えてしまえば簡単にできるものなので、この記事を見ながら計算してみましょう。

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