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美容院の開業一年目の帳簿の書き方と領収証の保存方法

投稿日 : 2016年6月6日 / 更新日 : 2018年6月20日

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美容室を開業すると、当然ですが、確定申告をしなければなりません。これまで、勤務先の従業員として給料をもらっていた人にとっては、初めての経験かもしれません。

そこで、独立したばかり個人事業の美容師のために、『帳簿の書き方』と『書類の保存』についてまとめました。

なお、確定申告書の作成は、税理士に依頼することを前提とし、そこまでの準備について紹介しています。

帳簿の書き方と書類の保存

帳簿の作成義務と会計ソフト

帳簿には『主要簿』『補助簿』があり、主要簿は必ず作成し、補助簿は必要に応じて作成します。

  • 『主要簿』・・・総勘定元帳・仕訳帳
  • 『補助簿』・・・現金出納帳・預金出納帳・売掛金(得意先)元帳・買掛金(仕入先)元帳など

会計ソフトを利用すると自動的に主要簿は作成できますが、補助簿は会計ソフトを設定することで作成できます。

卸売業や小売業では売掛金元帳が必要ですが、美容室など売掛金が必要ない業種では、売掛金(得意先)元帳は必要ありません。補助簿は必要に応じて使い分けます。

帳簿の書き方

美容室の売上は、基本的に現金売上がほとんどで、その他にクレジットカード売上がある程度です。

他の業種だと請求書を発行する掛取引もありますが、美容室の経営では出てこないはずです。

そのため、次のものは最低限必要となります。

売上帳

毎日の売上を記録した帳簿をいいます。

売上は、『現金売上』と『クレカ売上』に区分して記録しましょう。

また、消費税の簡易課税を選択している場合は、『技術売上』と『商品販売』に区分する必要があります。

なお、これらの区分は、売上管理ソフトを使うことで、月ごとの明細を一覧で出力することもできます。

現金出納帳

毎日の現金の出入りを記録した帳簿をいいます。

現金売上は入金欄に記録し、経費の現金支払いは出金欄に記録します。

[関連記事]

【保存版】美容室の経理でよく使う23の勘定科目まとめ

現金が不足したために、プライベート用の通帳から補充した場合は、『事業主借』として入金欄に記録します。

事業主借とは、事業主(美容院のオーナー)から資金を借りたことを指します。

逆に、事業用資金からプライベートな支出(国民年金など)を支払った場合は、『事業主貸』と記入します。

 

預金通帳のコピー

消耗品や備品の購入、商品の仕入は、一ヶ月分の代金をまとめて、購入先へ振り込んで支払います。

そのため、預金の出入りを記録した帳簿、または、預金通帳のコピーを用意します。

 

事業に関係ない支出(自宅の水道光熱費など)は『事業主貸』として処理します。

事業主貸とは、店舗用の資金を事業主(美容院のオーナー)へ貸すことを指します。

事業主貸が多すぎると、店舗用の口座残高が不足することがあるため、注意が必要です。

書類の保存と準備

整理整頓帳簿の他に、その証拠となる請求書や領収証なども、整理・準備します。

請求書

商品の仕入先や広告代理店から発行される請求書は、仕入先から毎月発行されます。

これらの請求書は、ポケット型のクリアファイルを用意し、取引先ごとに区別してまとめましょう。

領収証・レシート

現金で支払ったときの領収証やレシートなど細かい書類は、日付順にまとめて整理しましょう。

大学ノートなどに10日または1ヶ月ごとに、貼っておくことで見やすくなります。

給与明細または給与台帳

従業員を雇用している場合は、従業員の給与明細または給与台帳を整理しましょう。

上記のクリアファイルに、従業員ごとにまとめると、見やすくなり入力も簡単になります。

契約書や内装工事の明細

上記の他に、美容室の開業一年目は、『店舗の賃貸借契約書』『内装工事の明細』『損害保険の保健証書』『融資の返済予定表』『開業届』など開業時特有の書類があります。

これらの書類は、廃業するまで必要な書類のため、上記のファイルとは別に『契約書ファイル』を用意して、通常のファイルと別々にして保管しましょう。

書類の保存期間

帳簿や請求書・領収証などの書類は、原則として確定申告書の提出期限から7年間保存しなければなりません。

取引量の多い法人などは、税務署に届出書を提出して、電子データとして保存することもできます。

しかし、美容師などの個人事業主であれば、それほどの量にならないため、大きめの封筒や紙袋に入れて、表に◯◯◯◯年分と書いて保存しましょう。

会計ソフトの購入

会計ソフトの入力については、自分で入力する場合と、会計事務所に依頼する場合があります。

どちらを選択するかは、会計事務所と相談して決めましょう。

自分で入力する場合は、確定申告書を作成する税理士が使っている会計ソフトと合わせた方がいいため、購入前に確認しましょう。

なお、美容室の会計入力は、毎日ほぼ同じことの繰り返しなので、コツを掴めば、複式簿記を知らなくても自分で入力できます。

追記:保存期間が7年から10年に延長

平成23年12月税制改正により青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間が9年とされたことに伴い、平成20年4月1日以後に終了した欠損金の生じた事業年度においては、帳簿書類の保存期間が9年間に延長されました。
また、平成27年度及び平成28年度税制改正により、平成30年4月1日以後に開始する欠損金の生ずる事業年度においては、帳簿書類の保存期間が10年間に延長されています。

なお、この規定は法人に適用されるため、個人事業主は変わらず7年ということになります。

まとめ:書類整理のコツは『溜めない』こと

独立したばかりの美容師のために、『帳簿の書き方』と『書類の保存方法』をまとめました。

書類を整理するコツは、書類の断捨離と整理をこまめに行い、書類を溜めないことです。

開業一年目の美容院は、契約関係が多く、自然と書類が溜まってしましますが、こまめに整理しましょう。

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