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【3分解説】競馬の売券収入に対する税金の取扱い

投稿日 : 2015年10月15日 / 更新日 : 2018年5月28日

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競馬と税金国税庁のホームページで、競馬の馬券収入に対する税金の取扱いが改正されたことが公開されました。

一定の条件を満たすと、馬券の払戻金が『一時所得』ではなく『雑所得』になる改正です。

競馬にかぎらず公営ギャンブルをやる方にとっては気になるニュースなのでまとめました。

ちなみに、筆者はギャンブルが下手ですが、競馬場の広さが好きなので競馬はやっていました。(今はやってません)

従来はの馬券の払戻金は『一時所得』

改正前の馬券の払戻金は、すべて所得税の『一時所得』に該当していました。

また、一時所得から控除できる経費は馬券の購入金額に限られていました。

一時所得は、『総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)』で計算され、

実際に課税される金額は、一時所得の金額の1/2の金額です。

(例)200円で購入した馬券で1,000,000円の払戻金を得た場合の課税される金額

(1,000,000-200-500,000)✕1/2=249,900円

『一時所得』ではないとされた最高裁の判決

従来は、馬券の払戻金は『一時所得』でしたが、ひとつの最高裁の判決で改正されました。

その判決の概要を簡単に説明すると以下のとおりです。

競馬の馬券配当で得た所得を申告せず 、3年間に約5億7000万円を脱税したとして 所得税法違反に問われ、

無申告加算税を含む約6億9000万円を追徴課税された会社員男性が起こした裁判。

大阪国税局は、払戻金を『一時所得』としてハズレ馬券を経費とは認めず、当たり馬券の購入費のみを経費としていた。

しかし、最高裁判所は一定の条件を満たした場合は、『一時所得』ではなく『雑所得』に該当し、ハズレ馬券も経費として認める判決を下した。

改正で競馬の払戻金は、一定の条件を満たした場合は『雑所得』に該当

今回の改正で競馬の馬券の払戻金は、下記の条件を満たした場合は『雑所得』に該当することになりました。

下記の条件を満たさない場合は、従来通り『一時所得』に該当することになります。

〈競馬の馬券の払戻金が『雑所得』となる条件〉

  • 競馬の馬券の購入を機械的、網羅的、大規模に行っていること
  • 馬券の購入を、客観的に認められる記録として残されていること
  • 営利を目的として継続的に行われる経済活動であること

この条件を見ると、普通の人は雑所得に該当するには条件が厳しい印象です。

裁判をした男性は、馬券購入ソフトを使って機械的に購入していたので、一般的な遊び感覚で購入していたわけではありません。

追記(2017年11月):外れ馬券は経費とする最高裁判決

上記判例とは別ですが2017年12月15日に、外れ馬券が経費となる最高裁判決が出ました。

この裁判が上記と違うところは、「パソコンを利用した自動購入をしていない」ことです。

今回の裁判では、パソコンのシステムを利用して自動購入していないにも関わらず、外れ馬券を経費と認め、一定期間の収入を「一時所得」ではなく「雑所得」と認めました。

ただし注意したいのは、この判例においても、「多額の利益を恒常的に上げていた」という条件があるため、すべての競馬の収入に該当するわけではありません。

つまり、たまたま購入した馬券が万馬券になったケースは、通常通り「一時所得」になる。と考えられます。

個人的には、このような曖昧な判断では、今後も同じような裁判が起こる可能性もあるため、改正や通達があると思っています。国税庁の発表に注目したいところです。

あたり馬券の払戻金から源泉徴収すればいいと思う

国税庁も払戻金に申告義務を課すぐらいなら、源泉徴収の対象に払戻金を加えればいいのに。と思ってしまいます。

仮に、源泉徴収税率を10%にすれば、あたり馬券が10,000円のときは、1,000円を源泉徴収して残り9,000円を払戻金にしてしまえば、そこで納税が完了するので、国税も納税者も納得できるような気がします。

それができない裏の事情があるのかもしれませんが。

まとめ

競馬の馬券の払戻金に対する所得税の取扱いについてまとめました。(くわしくは国税庁HPを参照)

裁判の男性が3年間で獲得した競馬の馬券の払戻金に驚きましたが、

なぜもっと早い段階で払戻金に対する税金の心配をしなかったのか不思議です。

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