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オーナーが同業種で別会社を設立する節税のメリットとデメリット

投稿日 : 2015年7月14日 / 更新日 : 2018年3月20日

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法人を設立して事業が軌道に乗ると、税金の負担が大きくなってきます。

何とか節税したいと思い税理士に相談すると、「もう一つ法人を設立しましょう。」とアドバイスされるケースがあります。

別法人を設立すると節税になりますが、逆にデメリットも生まれます。しかしオーナー自身はその仕組みがよくわかっていないことがあります。

そこで、別会社を設立する節税のメリットとデメリットについて考えてみました。

節税目的の別会社

別会社を設立するメリット

同じオーナーのもとで、法人を複数所有し経営するメリットは、次のようなものがあります。

法人税と地方法人税の低減税率

法人税の税率は、所得金額800万円※で区分される2段階税率になっています。※記事記載時点の話です。

別法人を設立することで、一つひとつの法人に800万円以下の低い税率を適用することができれば、節税になります。

また、法人事業税などの地方自治体に対する法人地方税は超過累進税率となっています。

そのため、別法人を設立することで、一つひとつの所得を下げて税負担を軽くできます。

地方法人税の均等割が下がる

地方法人税の中には、均等割という税金があり、普通法人であれば「資本金等の額」「従業者数」で計算します。

そのため、従業員を多く雇用する業種では、別法人を設立することで従業者数を低く抑え税金を節約できるかもしれません。

消費税の免税事業者

消費税は事業者であれば誰でも課税事業者ですが、「資本金」や「課税売上高」により一定期間の免除を受けられます。(免税事業者)

別法人を設立することで、一定期間を免税事業者というメリットを受けられます。

ただし免税を受ける条件は、改正により数年おきに変化しているため、その都度確認する必要があります。

別会社を設立するデメリット

しかし、メリットがあればデメリットもあります。具体的には次のようなものが考えられます。

会社の設立費用

株式会社を設立するには、定款の作成、実印の作成登録、設立登記など、個人事業主に比べて多くの手続きを必要とします。

さらにこれらの手続きを、司法書士など外注すると、20万円から30万円ほどの費用が発生します。

税務や社会保険の事務負担の増加

税金や社会保険の手続きが、個人事業主によりも増えて事務負担が増えます。

これらの事務を、税理士や社会保険労務士に外注すると、当然ですが費用が発生します。

別法人を設立することで、その費用が増えることが想定されます。

また、厚生年金や健康保険に法人として加入する義務が生まれ、支払額の半分を会社で負担する必要があります。

内部取引の経理の難しさ

一人のオーナーのもとで、複数の法人を設立して経営している場合、経理上の問題が増えやすいデメリットがあります。

オーナーが同じの場合、別法人間での取引について、請求書や領収証のやり取りが曖昧になり、税務調査等で指摘されやすくなります。

個人的な意見

税理士としていくつかの法人を見てきた経験として、別会社を設立する節税はメリットよりデメリットのほうが大きいなと考えています。

一見すると税負担を減らせますが、それ以上に事務負担の煩雑さが増え、さらに税理士等への費用負担も増えていたからです。

オーナーとしては、節税のつもりで別会社を設立したにもかかわらず、現実は事務負担が増えたり、節税につながっていないケースもありました。

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