書店へ行くと、独立や脱サラなど開業に関するノウハウ本が並んでいます。
これらの本をパラパラめくると、メリットや成功例ばかりが書いていて、デメリットがあまり書いていません。
そこで、リスクマネジメントの意味も込めて、独立開業のデメリットを考えてみました。
収入が不安定・減少することもある
当然ですが、給料制から卒業することになるため、収入面で不安定になります。
ノウハウ本やセミナーでは、収入が何十倍になった。などの成功例が紹介されますが、その裏では収入が減った人や、事業に失敗した人がたくさんいることも事実です。
もちろん不安定というリスクは承知の上で、独立という道を選ぶのだと思いますが。
経費や税金・社会保険料の支払い
給料制で勤務していると、税金と社会保険料(年金・健康保険料)は源泉徴収で天引きされているため、自分で支出するものは完全に生活費だけです。
しかし独立開業すると、まず事業上の経費が発生し、さらに税金や国民年金・国民健康保険料などの支払いが発生します。
これらの支払いは、自分でコンビニや金融機関で納付しなければならず、会社は代行してくれません。
確定申告・各種手続き
上記と似ていますが、社会保険や税金の確定申告など、これまで勤務先が代行してくれていた申告や手続きを、すべて自分で手続きしなければなりません。
わからないからと言って放置しておくと、当然ですが税務署や役所から連絡が来ます。さらに滞納をすると延滞金や延滞税・加算金といった過料も課される可能性があります。
病気すると即収入ダウン
独立開業すると有給がないため、病気やケガをして営業に穴を開けると、すぐに収入が下がります。
不動産賃貸業なら大きな問題になりませんが、飲食店や美容室は臨時休業の影響がすぐに出ます。
これらのリスクに対して、従業員を雇ったり、保険に加入するなどしてリスクマネジメントしなければなりません。
自由がなくなることもある
独立開業すると、会社に縛られることもなく、時間を自由に使えると言われていますが、実際には休む暇がなかったり、収入面で不安定となり簡単に休むという選択肢が取れません。
フリーランスやフリーターと言われる人も、実は完全にフリー(自由)というわけではありません。
それでも独立開業を目指す人
独立開業のデメリットだけを考えてみました。考えればまだまだ考えれば出てきそうな気がします。
これから開業される方は、これを見て自分には無理だと思うのなら一度立ち止まって考え直しても良いと思います。
独立開業が向いている人もいれば、会社や組織に属して働くことが向いている人もいるので、無理に独立開業する必要はありません。
それでもなお「独立」「開業」「脱サラ」を目指す人は、デメリット以上のメリットを見据えている人だと思いますし、デメリットを覚悟している人だと思います。
僕ら税理士や会計事務所は、そのような人たちをサポートするために存在しています。
