個人事業主でも企業でも税金を計算するには、帳簿を作成しなければなりません。
また帳簿は事業の成績を示すものでもあり、今後の経営判断の指標となります。
そのため、経理作業は早いほうが良いですが、忙しくて作成が追い付かないのが現実ではないでしょうか?
そこで経理のマニュアル化について考えてみました。
経理作業が遅くなる原因
経理作業が遅くなってしまう原因は、個人や企業ごとに事情が違いますが、主に「経理作業をする時間がない」「経理が複雑」「帳簿の付け方がわからない」の3点です。
経理作業をする時間がない
人手不足の中小企業では、本業のほうが忙しく、経理作業をする時間がない。
また、個人事業主は、事業のすべてを事業主本人が兼務するため、経理作業まで手が回らない。という現実があります。
専門の経理担当者がいる企業は、それほど多くありません。現実は社長の奥さんや、社長または個人事業主が経理作業を兼任しています。
経理作業が複雑
経理作業をしたくても、資料が多くてどのように処理してよいのかわからない。
その結果、帳簿を作成するのが、税金の申告期限ギリギリになってしまう。というケースがあります。
ビジネス書やインターネット上に情報が溢れ、便利なビジネスツールやアプリが登場し、いろいろと手を出した結果、資料が多くなって経理作業が複雑になってしまうことも原因の一つです。
帳簿の付け方がわからない
美容室や飲食店など、それまで帳簿を付けたことがない人が開業すると、帳簿の付け方で戸惑ってしまいます。
書店のビジネス書を読んだり、税務署の講習を受けたけれど、やっぱりわからない。という人はたくさんいます。
さらに、消費税の課税と非課税も判断するようになると、税理士などの専門家でないと難しいものです。
このような事情が重なって経理作業が進まない。というケースがあります。
経理のマニュアル化
経理を「簡単」に「早く」作業するためのマニュアル化は、「定期的に作業する」「帳簿をシンプルにする」「税理士に外注する」の3つを意識すると大きく代わります。
定期的に作業する
まず経理作業の日を、毎月第1月曜日というように、事業の一環として予定に組み込みます。
1年分の資料を処理するには、数日もしかしたら1週間以上必要となるケースもありますが、経理を毎月のスケジュールに組み込むと相当余裕が生まれるはずです。
多くの人が、経理を時間の空いた時に作業しようと考えるために、結局後回しになっています。
だったら予め経理作業の日を予定日に入れておこうとする発想です。
帳簿をシンプルにする
帳簿をシンプルにするには、貸借対照表をチェックしてみましょう。
長く事業をしていると、無駄な資産や負債が計上されていくものです。
そこで、貸借対照表に計上されている無駄な資産を減らすことで、経理がスムーズになります。
- 使っていない預金通帳
- 使っていない固定資産
- 使っていないクレジットカード
- 一括で返済できる借入金
このような科目を減らすことで、経理が簡単になります。
また個人事業主や同族会社では、会社名義の預貯金から生活費を支出してしまうケースがありますが、そのような支出をなくし、事業専用にすることも経理を楽にする方法です。
税理士に外注する
経理を税理士に外注することも、経理作業を楽にする方法の一つです。
税理士の顧問料をもったいないと考える人もいますが、税理士の顧問料は年間合計でも、経理担当者の人件費の1ヶ月分程度です。
その程度の負担で、経理の煩わしさから解消され、さらに税務相談もできると考えると安いものです。
また固定資産の処理や消費税の課非判定など専門的な処理もお願いすることができます。
