今静かなブームになっているのが「終活」です。
書店では多くのノウハウ本が平積みされていて、中身を見ると、相続発生後の手続きや、遺言書の書き方など多岐にわたります。
世界広しといえど、自分の死後まで迷惑をかけないように心がける民族は日本人だけではないでしょうか。
今回は、最近よく混同されがちな「相続対策」について整理してみました。
3つの「相続対策」
相続対策には3つあります。
一つ目は、最もイメージしやすい「相続税対策」で、いかに相続税を下がるかの節税対策です。
二つ目は、相続税をどうやって納付するかという「納税対策」です。
三つ目は、相続人が遺産を揉めることなる相続する「争族対策」です。
この3つの相続対策がよく混同されているために、それぞれの違いについて解説します。
相続税対策
相続税対策とは、書店のノウハウ本にある「賃貸用不動産の購入」や「資産の組み換え」などの節税対策になります。
しかし、この時に最も重要なことは、そもそも相続税が発生するかどうかです。
相続税が発生しないのであれば、相続税対策をする必要がまったくないからです。
相続税対策をする前に、まず相続税が発生するかどうか判定するのが重要となります。
納税対策
納税対策とは、発生した相続税をどのように国に納付するかの対策です。
「生命保険金」を活用した対策が効果的ですし有名です。
遺産の中心が不動産で、預貯金が少ないケースでは、居住用不動産で売却できなかったり、申告期限までに予定通り売却できずに、金銭で納税できない可能性があるからです。
ですが、上記と同様、そもそも相続税が発生していなければ、納税対策の必要はありません。
争族対策
争族対策とは、相続人が遺産分割で揉めないようにするための対策です。
ノウハウ本の「遺言書」や「生前贈与」が争族対策に当たります。
「相続税対策」「納税対策」は相続税が発生しなければ関係ありませんが、この「争族対策」は、どの家庭にも起こりうる問題となります。
多くない遺産を複数の相続人で揉めるケースや、分割しづらい不動産を兄弟で奪い合うケースなどがあります。
そうなる前に、生前に対策しておこうとするのが「争族対策」です。
まとめ:相続対策の違いを理解しよう
今ブームの終活の一つである「相続対策」の細かい違いについてまとめました。
相続税の基礎控除額が下がり、相続税の申告が必要となる世帯が増加しています。
にもかかわらず、相続税の制度が複雑なのが問題だと思います。
一生に一度か二度しか経験しない相続税の申告を、素人だけで対応するのは大変です。
まずは、近くの税理士会に相談してみるのことをオススメします。