税金の申告では印鑑が必要になる場面がよくあります。
税務申告書はもちろん、会社情報を変更した時の異動届出書、議事録にも押印します。
しかし、時代の流れは確実にハンコ不要の時代(ハンコレス社会)へと進んでいます。
企業の電子申告の義務化
これまで確定申告は、紙で税務署に持参するか郵送するのが基本でした。
紙の申告書は、必ず納税者の押印が必要で、法人税の申告書はさらに厳しく自署押印となっていました。
しかし、電子申告が登場してからは、電子署名をすれば押印不要で提出できるようになりました。
さらに2018年度税制改正により、2020年から企業の法人税と消費税の申告書は、電子申告に義務化されることが決定しました。
個人の確定申告はまだ義務化されていませんが、マイナンバーが普及すれば義務化される可能性もあります。
マイナンバーがハンコの代わり
電子申告をするには、マイナンバーカードが必要になり、判子を押す代わりにマイナンバーで電子署名します。
顔写真がなく個人番号だけが記載されている個人番号カードは、マイナンバーカードではないので電子署名できません。
高齢者や自宅にパソコンがなく電子署名できない人は、確定申告時期になると税務署でも電子申告できます。
自宅のパソコンで電子申告する場合は、マイナンバーカードとそれを読み込むカードリーダーも必要となりますが、税務署に行けばマイナンバーカードだけで電子申告できます。
電子申告のメリット
電子申告のメリットは何より混んでいる税務署に行かなくて良いことです。
確定申告時期は、順番待ちの人や申告する人の長い行列ができていますが、自宅で電子申告すれば混雑は関係ありません。
また税務署が自宅から遠い人も直接行く必要がなく便利です。
電子請求書で角印不要
ハンコには通常の実印や認印の他に、請求書などに押す角印もあります。
角印を押すのは、請求書や源泉徴収票など会社が発行する書類が中心です。
しかしこれらの書類も、電子化できるものが増えてきたため、角印を押す場面も減ってくるはずです。
また、角印を押す義務がない書類については、合理化の一環で押さない選択をする人も増えそうです。
それでもハンコは絶滅しない
電子化が進むことで、ハンコレス社会になる可能性がありますが、それでも絶滅することはないと思います。
会社の登記は実印が必要ですし、重要な契約書は実印が必要不可欠です。
実印という絶対的な存在がある限り、日本のハンコ文化はなくならないはずです。
実際には合理化の一環でハンコの種類が減ってきて、重要な書類にだけハンコが必要になると思っています。
中小企業や大企業では、社内の回覧や稟議書にシャチハタの印鑑を押すことがありますが、タブレットのタッチ画面に拇印すれば個人確認できるようになるはずです。