企業は年に1回決算を行い申告書を税務署に提出します。
この決算と申告作業ですが、早期に完了できる企業もあれば、申告期限ギリギリまで作業する企業もあります。
社長としては早めに終わったほうがいいはずですが、帳簿が複雑だとなかなか数字が固まりません。
そこで、決算と申告のスケジュールを早期化するシンプル会計について考えてみました。
決算・申告作業が申告期限ギリギリになる原因
なぜ申告期限ギリギリまで決算作業が終わらないのでしょうか?
理由はいろいろあると思いますが、具体的には次の様な問題が考えられます。
定期的に帳簿を作っていない
決算まで記帳をしていないケースです。
法人でも個人事業主でも同じですが、毎月まては数ヶ月ごとに記帳しておけば、決算時に慌てることはなく、決算修正仕訳だけで決算書が完成します。
経理がいない
ひとり企業や個人事業主は、社長自身が営業であり事務員であるため、経理担当者がいないケースがあります。
そのため、普段は帳簿を作っている余裕がなく、申告期限ギリギリになって領収証を整理しなければなりません。
グループ間取引がある
企業の中には、消費税の免税期間を使った節税で、同じ社長のもとで複数の法人を設立する人がいます。
法人ごとに明確に帳簿を分けていれば問題ありませんが、法人間で取引が混同していると、取引を整理する必要があり決算作業が遅れます。
また、法人間で取引していると、請求書や領収証を作っていないこともあり、取引金額の確認に時間が必要となります。
社長の個人的支出がある
同族会社で多いのが法人名義の通帳やカードから、社長や社長一家の個人的な支出をしているケースです。
当然ですが、法人の事業と関係ないプライベートな支出は経費とはならないため、その確認作業に時間が必要となります。
現場からの資料が揃わない
同族会社の建設業などでよくあるのは、現場作業する人が複数いるにもかかわらず、資料をまとめる経理担当者がいないため、現場からの資料が集まらないケースです。
そのため、申告期限を過ぎてから請求書が上がってくることもあり、修正申告が必要となるケースもあります。
決算作業を早期化する対策
上記のような問題を減らすためには、帳簿をシンプルにすることが重要です。
具体的には次のような方法があります。
- 事業用の通帳やカードを複数作らない
- 法人名義の通帳・カードからプライベートな支払いをしない
- 帳簿を定期的に作成する
- 請求書・領収証を貯めない
- 法人を複数設立しない
- 現場からの資料の収集日の締め日を作る
- 毎月または数ヶ月ごとに経理の日を作る
まとめ
決算と申告作業を早期化するシンプルな会計について考えてみました。
具体的な対策は、定期的な記帳と、複雑なことをしない、お金の蛇口を増やさない。という3つです。
簡単に思えますが、同族会社や一人社長だとプライベートと仕事を分けるのは意外と大変です。
ですが、決算時のイライラを減らすためには、シンプル会計はとても重要だと思います。