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夫婦や親子で個人事業を開業すると、親族へ給与を払うことになります。しかし所得税の計算では身内への給与に対して厳しくルールを設けていることを知っているでしょうか?

ルールを知らずに給与の支払額を計上していると、税務署の調査があった時に否認される可能性があるので注意が必要です。

そこで、これから開業する個人事業主または、既に開業した個人事業主ために、専従者給与の基本についてわかりやすく紹介します。

※この記事は、平成29年1月時点の法令に基づいたものです。その後の改正に対応していない可能性がありますので、予めご了承ください。

個人事業主の専従者給与について

専従者給与は白色と青色の2種類

専従者給与とは、所得税の計算で親族に支払う給与についても、経費として認めてくれるものを言います。

白色申告の場合は、事業専従者給与の額は、一人の親族につき50万円(配偶者の場合は86万円)または、算式で計算した金額『事業専従者給与を控除する前の事業所得の金額等÷(専従者の数+1)』のいずれか低い金額に制限されています。

白色に対して青色申告の場合は、事業所得が赤字の場合でも、また、給与の額が事業所得を上回る場合でも、その給与の額が適正な金額で、その金額に相当の理由があれば必要経費に参入できます。

ただし、青色申告の承認を受けるためには税務署に『青色申告承認申請書』の提出が必要ですし、青色専従者の給与の額を税務署に届け出なければなりません。(『青色事業専従者給与に関する届出書』)

また、青色事業専従者の対象も次の要件すべてに該当していなければなりません。『配偶者または親族であること』『15歳以上であること』『6ヶ月以上従事していること』
詳しい条件は、下記の国税庁ホームページから確認してみましょう。

[参考ページ]

青色事業専従者給与と事業専従者控除

タックスアンサー№2075│国税庁ホームページ

青色事業専従者給与の適正額

専従者給与の額の適正額については、白色申告については金額がほぼ決まっているので迷うことはないと思います。しかし青色申告については決まった計算式がないため自由に決められます。

だからといって不相当に高額な給与を設定すると、税務調査で否認される可能性があるため、仕事内容の専門性や責任の大きさ、同業他社の給与水準と比較して、総合的に決めなければなりません。

実務上では、毎年のように事業主の所得よりも青色事業専従者の給与の額の方が大きい場合は、給与の額を検討して下げて調整します。ただし、事業主が高齢や病気など一定の事情があるときは、青色事業専従者給与の額を必要経費に計上できる規定もあります。

専従者給与の源泉徴収と年末調整

専従者に給与を支払っている場合は、その他のパートや従業員と同じように給与計算をします。

つまり、必要であれば扶養控除等申告書を記載してもらい、給与に対する所得税を源泉徴収し、毎月(または半年)ごとに納付することになります。そして12月になれば、他の従業員と同じように年末調整し、源泉税が過大であれば還付をします。

意外に知られていないおもしろい点として、青色事業専従者は事業主の『扶養控除』『配偶者控除』『配偶者特別控除』にすることができませんが、一定の条件を満たすと事業主を青色事業専従者の『扶養控除』『配偶者控除』『配偶者特別控除』にできる点です。

確定申告書への専従者給与の記載

専従者給与の額を必要経費に計上している場合は、確定申告書にその金額を記載しなければなりません。具体的には下記の場所に記載することになります。平成28年分の確定申告書からはマイナンバーの記載欄も追加されています。

確定申告書(第一表)のその他

確定申告書(第一表)その他

確定申告書(第二表)の事業専従者に関する事項

確定申告書(第二表)の事業専従者に関する事項

青色申告決算書(2ページ目)の専従者給与の内訳

青色申告決算書(2ページ)専従者給与の内訳

まとめ:ルールが厳しい専従者給与

専従者給与についてまとめてみました。白色と青色で基準が違うことを知ってもらえたと思います。特に青色は基準が厳しい反面、給与を自由に決められることが分かってもらえたと思います。

夫婦で美容室始めるなど、これから開業する個人事業主は、まず開業時に提出すべき書類に注意してもらったうえで、青色事業専従者の給与を検討してみましょう。

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