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税理士として中小企業の経理をしていると、決算直前に社長やオーナーから税金対策や節税の方法を聞かれることがあります。

会社にとって税金は義務ですが、将来の利益につながらない支出のため、どうしても払いたくないと思ってしまうようです。しかし、税理士の立場からすると、会社の規模にもよりますが、中小企業や個人事業主なら小手先の節税対策よりも納税してしまったほうが良い考えています。

そこで、中小企業や個人事業主のために、節税よりも納税したほうがメリットがある理由を紹介します。
ただし、これはあくまでも個人的意見ですので、意見が別れるところでもあります。

納税が中小企業の節税になる理由

よくある税金対策

決算直前でよく使う節税対策としては、代表的なものとして次の3つがあります。

  • 保険商品を使った課税の繰り延べ
  • 設備や備品の前倒し購入
  • 決算賞与の支給 ※要件に注意が必要

これらの税金対策を上手に使うことで、費用(経費)を増やし、利益を圧縮することで、結果として税金を減らすことができます。

しかし、これらの税金対策にはデメリットもあるので、実行前に知らなければなりませんが、直前に迫った決算と税金に目を奪われて忘れてしまうことがあります。

節税対策・税金対策のデメリット

節税対策のデメリットとしては、資金繰りを悪化させることです。納税資金に不安があるために税金対策をするにも関わらず、税金対策として多額の資金を支出してしまっては本末転倒となります。

新しい保険への加入も、設備投資も、決算賞与も多額の資金を必要とします。そしてそれは、納税額よりも多くなる可能性があります。

たとえば、利益が100万円あったとすると、税金対策として100万円支出すると利益は0となり税金は発生しません。(法人の場合は、均等割が発生しますが・・・)しかし、翌期に使える資金もなくなってしまいます。

ところが、利益100万円に対して税金を納税した場合は、20万円前後が税金となり、翌期は80万円が自由に使えることになります。保険に加入すれば満期で100%戻ってくるとしても、それは数年後の話のため、翌期は自由な資金がありません。

中小企業の税率は低い

税金というと拒否反応が出る人がいますが、日本の税率は低下傾向ですし、中小企業の税率は特に低く設定されています。

法人税の計算では、資本金1億円以下の中小企業では、利益800万円までは低い税率が設定されています。(平成29年3月までは15%、平成29年4月からは19%に改正)

上記の例のとおり、100万円の利益の場合、税金対策として100万円を支出するよりも、納税として20万円を支出したほうが、翌期に使える資金は5倍も違います。

細かい計算や会社ごとの事情の違いはありますが、翌期に自由に使える資金という点に絞って考えると、資金の差が5倍も違います。納税は将来の利益につながりませんが、後腐れがないというメリットがあります。

まとめ:中小企業の税率は低い

税金対策のデメリットと納税のメリットについて紹介してみました。この違いは中小企業のほうが大きく現れます。

もちろん、個別の企業の違いによって事情が違うため、単純な比較はできませんが、一つの考え方は理解してもらえたと思います。

税金対策と納税の選択は、最終的には社長やオーナーの決断ですが、メリットとデメリットを理解しておいたほうが選択の幅が広がると思います。

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