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個人事業主が美容室や整体を開業するときの選択肢のひとつに『共同経営』があります。

共同経営とは、一つの事業を2人以上で経営する方法で、開業に対する不安や、資金難の解消で検討している方もいるかもしれません。

共同経営は、株式会社などの法人であれば普通のことですが、個人事業主の場合は多くありません。そして自分自身もあまりオススメしません。

そこで、これから開業する個人事業主のために、個人事業主の共同経営をやめた方が良い理由をまとめました。

個人事業主の共同経営をオススメしない理由

個人事業主の共同経営の具体例

まず個人事業主の共同経営のよくある例のひとつを紹介します。

 

開業資金の不足を理由に、同じ夢を持つ2人の若者が資金を半分ずつを出資しあって、個人事業主として開業します。

店舗の物件取得費、内装設備や備品購入費などの開業資金は半分ずつ負担し、毎月の運転資金も半分ずつ負担することで、利益も半分ずつという約束で経営がスタートします。

開店当初は、売上は少なくても、同じ目標を向かってがんばれます。しかし、1年も経つと状況が変わってきます。

仕入や細かい備品の購入、水道光熱費の支払いは一つの口座で管理していたため、負担分を精算するのが面倒になります。その結果、どちらかの負担が増えてきます。

さらに数年が経ち経営が軌道に乗ると、共同経営者の一方が独立したいと相談します。すると、当初の開業資金の負担分の精算などで問題になり、仲の良かった二人が喧嘩になります。

 

という単純で極端ではありますが、起こりうる具体例が考えられます。

法人なら株主となる共同出資者

法人の場合は、個人事業主と違い共同出資を前提としているため、上記のような問題が生じにく組織となっています。(全くないわけではありませんが。)

出資者が複数いる場合、法人では原則として、それぞれの出資者が株主となり、出資比率に応じた議決権という発言権を持ちます。それに基づいて経営に参加したり、自ら役員となることができます。

税務署へ提出する確定申告書も、法人がひとつの人格を持つため、出資者が何人いても法人としての申告をすれば、税金上の問題はありません。

確定申告の手間が増える個人の共同経営

一方、個人事業主の共同経営では、事業自体に人格がないため、共同出資者それぞれが税務署に確定申告の必要があります。

そのため、それぞれの負担分に応じて、収入と経費を按分して所得を計算し、確定申告書を作成する必要があります。

事業用の預金口座がひとつの場合、それぞれの負担分を精算する手間は、思った以上に面倒で大変です。

このような理由から、個人事業主の共同経営は、個人的にはオススメしていません。

共同経営で意見が違うときの法人と個人の違い

共同経営で意見が割れた場合、法人では、話し合うための場所として株主総会や役員総会があります。

上記例の独立したい場合でも、話し合いで承認さえあれば、株式を買い取ることで精算することもできます。

しかし、個人事業主の場合は株式がないため、株主総会もなければ、株式の買い取りという前提がありません。

つまり、個人事業主は一人で経営することを前提とし、共同経営を想定していません。

そのため、自由になんでも決めることができるメリットがある反面、共同経営となると問題が生じやすいデメリットがあります。

まとめ:法人と前提が違う個人の共同経営

これから美容室や整体を開業するオーナーのために、個人事業主の共同経営をオススメしない理由をまとめました。

この記事は、個人的な意見も入っているため、すべてのケースに当てはまるわけではありません。共同経営している個人事業主で成功している方もたくさんいます。

開業を目指す方が、この記事を読んで、共同経営について考える際の参考になれば幸いです。

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