Pocket

個人で美容室や飲食店を経営していても、スタッフを雇うと労働保険へ加入しなければなりません。

これはパートやアルバイトでも加入義務があるため、正社員と同じ扱いになります。

そこで、開業したばかりの美容院や飲食店のオーナーのために、はじめて従業員を雇用したときの労働保険の手続きについてまとめました。

記事後半では、2016年9月から厚生労働省HPで導入された『労働保険加入事業所の検索システム』について紹介しています。

はじめてスタッフを雇用した時の労働保険の加入手続き

労働保険(労災保険と雇用保険)の概要

『労働保険』とは、業務上の病気やケガに備える『労災保険』と、失業手当などの受給に備える『雇用保険』を合わせたものをいいます。

労災保険は、正社員だけでなくパートやアルバイトも加入義務があり、保険料はすべて事業主負担となります。

雇用保険は、加入に一定の条件があり、平成28年4月時点では『1週間の所定労働時間が20時間以上』『31日以上引き続き雇用される見込みがある』という条件を満たすと、正社員だけでなくパートやアルバイトでも加入しなければなりません。

雇用保険料は、美容室の場合、給与の11/1000(うち4/1000は労働者負担、7/1000は事業主負担)です。なお、保険料率は変動するため、毎年厚生労働省のホームページで確認しましょう。

なお、労働者負担の雇用保険料を給与から天引きしたときの仕訳は『労働保険料の仕訳を一つの勘定科目で処理する方法』を参考にしてみてください。

労働保険の保険料は、毎年6月1日から7月10日までに『労働保険概算・確定保険料申告書』を提出して申告・納付します。期日を過ぎたり納付を忘れると、追徴金や延滞金が発生するので注意しましょう。

[関連記事]

ひとり美容室必見!社会保険の任意加入のメリット・デメリット

はじめてスタッフや従業員を雇用した時の手続き

はじめてスタッフや従業員を雇用した時は、『労働保険』と『雇用保険』の2つの手続きが必要となります。

労働保険の加入手続き

まず労働保険に加入するには、労働基準監督署での手続きが必要となります。また、その年度分の概算保険料を納付しなければなりません。

手続の方法は、美容室や飲食店を前提とすると次のようになります。それ以外の業種については労働基準監督署等へ確認しましょう。

必要書類

・労働保険保険関係成立届

・労働保険概算保険料申告書 ※概算保険料の納付も必要

・(個人事業主)賃貸借契約書のコピー、(法人)登記事項証明書

手続きの場所

・労働基準監督署

期限

・はじめて従業員を雇用した日の翌日から10日以内

・概算保険料申告書は保険関係が成立した日から50日以内

[参考ページ]

労働保険制度(制度紹介・手続き案内)

引用│厚生労働省ホームページ

雇用保険の加入手続き

雇用保険への加入は労働保険とは別に手続きする必要があり、場所も公共職業安定所(ハローワーク)となるため忘れないようにしましょう。

順番は労働保険の手続きが先となるため、まず労働基準監督署へ行き、手続き完了後にハローワークへ行くのが効率的です。

手続きする時間がない方は、無料で24時間利用できる電子申請や、料金は発生しますが丸投げできる社会保険労務士も検討してみましょう。

必要書類

・雇用保険適用事業所設置届

・雇用保険被保険者資格取得届

・雇用保険被保険者証

手続きする場所

・公共職業安定所(ハローワーク)

期限

・はじめて従業員を雇用した日の翌日から10日以内

[参考ページ]

雇用保険制度

引用│厚生労働省ホームページ

追記:労働保険に加入しているか確認できる検索システム

2016年9月より厚生労働省のホームページで、その事業所が労働保険に加入しているか検索して確認できるようになりました。

導入の理由はわかりませんが、労働保険へ加入しないブラック企業対策のような気がします。

この検索システムは、これから就職や転職しようとする大学生や社会人の、ブラック企業の判定に使われるかもしれません。

[参考ページ]

労働保険適用事業場検索

引用│厚生労働省ホームページ

まとめ:パートでも加入義務がある労働保険

美容室や飲食店を個人で開業したオーナーが、従業員やスタッフをはじめて雇用した時の、労働保険の手続きについてまとめました。

従業員からすると、労働保険へ加入している事業主は、安心につながり、結果として良い人材が集まります。

事業主からすると、労働環境を整備することで、良い人材が集まりやすくなります。また、助成金等の申請もできるため、忘れずに加入しましょう。

創業融資に強い税理士事務所
Pocket